1991 Fiscal Year Annual Research Report
酵素モデル等を用いた核酸の非放射性標識化法の開発及び遺伝子解析への応用
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03804040
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
篠塚 和夫 群馬大学, 工学部, 助手 (20206105)
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Keywords | 核酸の非放射性標識化法 / 核酸プロ-ブ / ケイ光性核酸標識化試薬 / 発光性核酸標識化試薬 / 人工酵素モデル化合物 |
Research Abstract |
まず標識化すべき核酸プロ-ブとしてtーRNA^<Phe>に相補的なDNA21量体の化学合成を行った。次にケイ光性核酸標識化試薬として3ーメチルフラビン類およびアミノナフタレンスルホン酸のトリス(2ーアミノエチル)アミン誘導体を合成し各71%、75%の収率で得ることができた。 さらに発光性核酸標識化試薬としてポリエチレングリコ-ル(平均分子量3000)を結合させたプロトヘミンを合成し、さらにこの化合物にトリス(2ーアミノエチル)アミンを導入した人工酵素モデル化合物を通算収率41%で合成することができた。この化合物は過酸化水素ールシノ-ル発光系を用いた実験において天然の過酸化水素分解酵素とほぼ同等の酵素用作用を有することを見出した。得られたナフタレンスルホン酸のトリス(2ーアミノエチル)アミン誘導体と標識化核酸プロ-ブとして用いるDNAオリゴマ-21量体をりん酸アミド結合を介して結合させ、当初の目標であるケイ光標識化DNAを78%の収率で得ることができた。また得られた標識化DNAを用い、その二重鎖の形成と解消がケイ光の強度および異方性に与える影響について測定を行ったところケイ光の強度、異方性共にDNA鎖の高次構造変化に伴い一定の相関関係を持って変化するという新しい知見を得ることができた。 一方3ーメチルフラビンのトリス(2ーアミノエチル)アミン誘導体を用いた同様の反応ではDNAの標識化は進行せず、かえってDNAの分解が観察された。このことについてさらに詳細に検討したところ3ーメチルフラビン誘導体は光存在下顕著なDNA分解作用を有するという新しい知見が得られた。
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