1992 Fiscal Year Annual Research Report
酵素モデル等を用いた核酸の非放射性標識化法の開発及び遺伝子解析への応用
Project/Area Number |
03804040
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Research Institution | GUNMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
篠塚 和夫 群馬大学, 工学部, 助教授 (20206105)
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Keywords | 核酸の非放射性標識化法 / 核酸プローブ / フラビン / 5ーナフタレンスルホン酸 / 過酸化水素分解酵素モデル |
Research Abstract |
1.核酸の新たな蛍光性標識化試薬として、トリス(2ーアミノエチル)アミンをリンカーに持つ3ーメチルフラピン類及びナフタレンスルホン酸類を合成し、それぞれを満足すべき収率で得ることができた。 2.核酸の化学発光性標識化試薬として、過酸化水素分解酵素をモデル化した、ヘキサメチレンアミン鎖をリンカーに持つポリエチレングリコール・ヘミン誘導体を設計し、これを良好な収率で合成することができた。 3.1で得たフラビンのDNAへの導入反応を試みたところ、かえってDNA鎖の分解が観察された。さらに詳しい解析によってこのフラビン誘導体は光存在下でDNA鎖を分解する作用を持つという新知見が得られた。一方アミンリンカーを持つナフタレンスルホン酸誘導体は、水溶液中でのカルボジイミド誘導体を用いる縮合反応によって、5′ー末端にりん酸基を持つDNA15量体及び21量体にりん酸アミド縮合を介して、良好な収率で導入することができた。 4.3で得た標識化DNA15量体は対応する未修飾DNA15量体に比べ、より高い2重鎖形成能を持つことが解った。これは標識化試薬部分に存在するDNA鎖との結合に関与していない1級アミノ基と、相補的なDNA鎖中のりん酸基との間のイオン結合の生成によるものと考えられる。 5.3で得た標識化DNA21量体は一部自己相補的配列を持ち、低温ではヘアピン・ループ型で、高温ではリニアー型で存在すると考えられる。このDNA鎖の蛍光特性は、このような高次構造変化に基づき顕著な変化を示すことが明かとなり、蛍光標識化による核酸高次構造解析の可能性が明かとなった。 6.今後さらに2で得た発光性標識化試薬のDNAに対する有効な導入反応を検討する必要がある。
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Research Products
(1 results)