1991 Fiscal Year Annual Research Report
気液界面における単分子膜特性に基づく、フミン酸分子サイズの絶対値直接測定
Project/Area Number |
03804044
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
早瀬 光司 広島大学, 総合科学部, 講師 (70127695)
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Keywords | フミン酸 / 表面圧 / 極限面積 / 表面膜 / 分子サイズ / 分子量分画 |
Research Abstract |
土壌試料として、黒ボク土、褐色森林土、および東京湾海底の底質について、水酸ナトリウムによる抽出、塩酸による再沈殿などの装作を行ない、粗フミン酸を抽出した。 さらに、粗フミン酸を精製するため、フッ酸処理、透析、凍結乾燥などを行なって、精製フミン酸を得た。そして、得られた得製フミン酸をアミコン社製の限外3過膜を用いて、分子量30万以上、30万〜10万、10万〜5万、5万〜1万、1万以下の五種類に分子量分画を行なった。 黒ボク土フミン酸、褐色森林土フミン酸について、元素分析によるC:H:Nの重量比はそれぞれ、57:4.2:4.2,54:5.6:5.1であった。 協和界面科学社製の表面膜圧力計を用いて、表面圧一面積曲線を求めた。フミン酸は0.1M水酸化ナトリウム水溶液に溶解した後、PH8に調製し、水:エタ-ル(1:9)の展開溶媒に移し、マイクロピペットでPH2の希塩酸水溶液に展開し、表面膜をつくらせた。各点の表面圧を測定するのに、平衡に達するのに数時間〜10数時間を要した。 表面圧ー面積曲線において、直線部分を表面圧ゼロに外ソウして得られた極限面積は、黒ボク土、褐色森林土の両フミン酸について、それぞれ、69,220m^2/gであり、褐色森林土の方が大きかった。 また、分子量分画して得たフミン酸について、極限面積、圧縮度、崩壊圧、崩壊面積などを求めたが、分子量の大小と正又は負の相関関係が得られた。 土壌フミン酸について、一次限分子サイズの絶対値として、3.8〜12.1nmという値が極限面積から概算された。
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