1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03804058
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
鬼武 一夫 山形大学, 理学部, 教授 (80089846)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
刀祢 重信 和歌山県立医科大学, 助手 (70211399)
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Keywords | メダカ / 精子形成 / 培養 / プロタミン / プロタミン遺伝子 / mRNA / cDNA / ノーザンハイブリダイゼーション |
Research Abstract |
本年度の科学研究費交付により、以下の成果を得た。 1)塩基配列の決定の結果:我々は昨年メダカ精子形成過程の解析を分子レベルで行うために、メダカ精巣cDNAライブラリーを作製し、我々の作製した抗メダカプロタミン抗体でスクリーニングを行った結果、多数のポジティブクローン得ることに成功した。今回その中からクローンMP-1選びその塩基配列につい決定を試みた。その結果、MP-1は以下のように31アミノ残基から成り(M-RR---QASLPA-RRRRR-VRRTR-VV-RRRRR-VC-RRR-H)、その分子内に58.1%ものアルギニンを含む強塩基性蛋白質であることが明らかになった。魚類プロタミンとホモロジー検索を行った結果、マグロのプロタミンであるチニンZ1と高い相同性(アミノ酸残基で71%相同)が認められた。この様にしてMP-1はメダカプロタミンのcDNAであることが示された。 2)ノザンハイブリダイゼーションの結果:この方法により各種組織での発現状況を調べたところ、メダカプロタミン遺伝子は精巣特異的に発現し、かつ1400bpと400bpの二種類のmRNAが存在していることが明らかとなった。2種類のmRNAが1000bpという大きなギャップもって離れていることは、魚類間のみならず他の動物種でも今までに報告がなく、メダカ特有なものであると考えられる。また、そのギャップの大きさは単にpoly(A)の長さでは説明できず、今後の解析が必要である。現在このmRNAをプローブとしてメダカ精巣組織切片を用いてin situハイブリダイゼーションを続行中である。最後に、本研究に対する科研費の交付に心からお礼申し上げる。
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