1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03805012
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
岡田 勝藏 山梨大学, 工学部, 教授 (50020409)
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Keywords | 潤滑 / 摩擦 / 摩耗 / トライボロジ |
Research Abstract |
超潤滑を実験で実証するための基礎研究として、本年度は見掛けの接触面積が摩擦係数に及ぼす影響について調べる目的で、物体のすべり初めを正確に把握することができる顕微傾斜装置を用いて、厚さが一定である種々の形状のアルミニウム、銅、ステンレス、鉄などの薄平板、更には各種の紙などをニッケル平板上ですべらせてえられる最大静摩擦係数とアルミニウムの見掛けの接触面積との関連を検討した。ここで顕微傾斜装置とは斜面上に置かれた物体の動きを光学顕妻鏡で拡大して観察することにより、斜面上にある物体のすべりの開始角度を正確に把握することができる高精度傾斜装置である。 摩擦材料には厚さ10μmの純アルミニウムを、また、固定平板として厚さ1mmの純ニッケルを用いた。摩擦実験は空気中において温度27±1℃、湿度25±1%の恒温、恒湿下で行った、摩擦実験はいづれの条件でも表裏5回づつ計10回繰り返して行い、その算術平均値を摩擦係数μの代表値に用いた。 その結果、次のことがわかった。 (1)最大静摩擦係数は見掛けの接触面積が小さい程大きくなる。 (2)見掛けの接触面積が同一である場合、最大静摩擦係数は見掛けの接触面積の外周長さに比例して増大する。 (3)空気中での乾燥摩擦において、接触圧力、表面あらさ、雰囲気条件(温度、湿度)、表面の静浄度が一定であれば、A_0以下の見掛けの接触面積におけるμの値はAとRから決めることができる。なお、A_0はμの値がAに関係しないμ_0を示す限界の接触面積であり、A_0以上の接触面積ではアモントン・ク-ロンの法則に従う。
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