1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03805012
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Research Institution | YAMANASHI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
岡田 勝藏 山梨大学, 工学部, 教授 (50020409)
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Keywords | トライボロジ / 摩擦 / 摩耗 / 潤滑 / 固体潤滑 / 真空 / 複合材 / ダイヤモンド |
Research Abstract |
ボールやころの転がりを利用する転がり摩擦はすべり摩擦に比べて摩擦係数が極めて小さい。一方、爆発衝撃法で作成したクラスタダイヤモンドの粒子径は1〜10nmである。従って、ダイヤモンド超微粒子の転がりを利用すれば、摩擦の軽減が期待でき、超潤滑を実験的に実証できる。 そこで、本研究ではクラスタダイヤモンドを分散したアルミニウム基複合材について、真空中および空気中のすべり摩擦特性を調べる目的でサファイヤ球とや鋼球と組合わせてすべり摩擦をおこなった。 すべり摩擦はピン・オン・プレート式の摩擦試験機を用いた。すべり摩擦条件は回転数30rpm、接触荷重33g、摩擦時間60分、室温である。摩擦雰囲気は5×10^<-3>Paの真空中および大気中である。 サフャイア球と複合材の組合せでは、摩擦係数はダイヤモンドが多いほど小さいこと、および、同一のダイヤモンド含有量では真空中の摩擦係数は空気中より大きいことがわかる。一方、空気中における複合材の摩擦面は多数の摩耗紛が認められる。しかし、真空中の摩擦面では摩耗紛がほとんど認められない。従って、摩耗紛が真空中と空気中における摩擦係数の差異に大きな影響を及ぼすことがわかる。 鋼球と複合材の組み合わせでは、ダイヤモンド含有量と摩擦係数の関係がサフャイア球の場合に対応する。しかし、ダイヤモンドを10%含む複合材の空気中における摩擦係数は極めて小さく、0.04である。
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