1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03805017
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小川 英之 北海道大学, 工学部, 助教授 (40185509)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
城戸 章宏 北海道大学, 工学部, 助手 (10224990)
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Keywords | 窒素酸化物 / 還元 / 酸素 / アンモニア / 尿素 / ディ-ゼル機関 / 反応動力学モデル / 排気 |
Research Abstract |
本研究では,酸素残留燃焼場における窒素酸化物超高速還元法の実現を最終目的として,その際に有効な還元剤の模索を行うとともに,適用条件および反応機構の解明を試みた.本年度は,ディ-ゼル機関の膨張行程後期において燃焼室内温度がアンモニアの窒素酸化物還元温度域を経由することに着目し,アンモニア系還元剤水溶液を任意の時期に燃焼室内へ直接噴射することによって,無触媒下において窒素酸化物の急速還元を試みると同時に,その際の窒素酸化物還元過程に対する反応動力学モデルを構築し、実験結果との比較検討を行った.その結果,還元剤として尿素水溶液を用いることにより,排気黒煙および熱効率を悪化させることなく最大で60%の窒素酸化物低減が得られることを確認したが,その際には還元剤の噴射時期が強い支配因子であり,シリンダ内温度が還元温度域に入る膨張行程後半に設定することが肝要であることを明らかにした.また,窒素酸化物は還元剤の増加にともなって減少するものの,ある程度以上になるとそれ以上の窒素酸化物低減は望めないこと,還元剤導入量が少ない場合には,ノズル噴孔数の増加などによる還元剤と窒素酸化物の混合促進により低減効果が改善されることが明かとなった.一方,機関運転条件の影響に関しては,回転速度の増加にともなって窒素酸化物低減効果が若干低下するが,還元剤噴射時期を進角することにより比較的高回転速度においても窒素酸化物低減が可能であること,また,機関負荷に関しては,空気過剰率が3.5付近で低減効果が最大となり,温度が高い低空気過剰率下および酸素濃度が高い高空気過剰率下では効果が低下することが明かとなった.さらに,反応動力学モデルによって,以上の窒素酸化物還元特性を解析した結果,還元剤の最適噴射時期などの前記実験結果に対して妥当な説明を与えることができた.
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[Publications] 首藤 登志夫: "アンモニア系還元剤の筒内直接噴射によるディ-ゼルNOxの低減" 自動車技術会1991年度秋季学術講演会前刷集912. 2. 29-32 (1991)
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[Publications] 宮本 登: "アンモニア系還元剤の筒内直接噴射によるディ-ゼルNOxの低減" 自動車技術会論文集.
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[Publications] Noboru Miyamoto: "Diesel NOx Reduction with Ammonium Deoxidizing Agents Directly Injected into the Cylinder" JSAE Review. 13ー3. (1992)