光センシング手法を用いた雷パラメータの解明に関する基礎研究

1993 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 03805024
• Research Institution: Aichi Institute of Technology
• Principal Investigator: 依田 正之 愛知工業大学, 工学部, 助教授 (80103240)
• Keywords: 光センシング手法 / マルチスペクトロラジオメータ / 雷パラメータリモートセンシング / 気中放電 / ロケット誘雷 / 雷計測3領域光LANシステム / 変電所侵入雷サージ / 変圧器中性点電位上昇

Research Abstract

光センシング手法とは雷放電光のスペクトル強度を遠方より高速ディジタル観測し、そのアーク温度を求める手法である。この結果に発光半径の実測値を導入して、放電路の電界と放電電流値を求める確立するための基礎研究である。今年度はマルチスペクトロラジオメータを基本とする可搬式高精密分光記録装置(雷パラメータリモートセンシングシステム)とディジタルオシロスコープを併用して、実験室において長ギャップに雷インパルスを印加し、放電光の波長別時間応答を測定した。以前報告した441nmにおける波頭のへこみが今回の試験ではみられなかったが、これは電流波形の波頭振動がなくなったことに起因すると考えられた。
ロケット誘雷時の雷放電電流および雷電圧測定用として、開発してきた雷計測3領域光LANシステムをZnO避雷器素子の基礎特性計測に適用して所期の結果が得られた。さらに、本システムとロゴスキーコイルを用いた別の計測システムで測定した電流波形の相異について検討したが、非常に良い一致を示すことが判明した。
今までに得られた誘雷時の雷電流波形や77kV変電所侵入雷サージのパターンを検討して、送雷線故障様相と変電所侵入雷電圧波形とを比較するとともに、変圧器中性点電位上昇について考察した。
今年度は研究期間の最終年度でもあるので、研究成果報告書をまとめた。

Research Products

• [Publications] 依田 正之: "可搬式雷電流ディジタル計測システムとその適用" 電気学会論文誌. 114-B. 67-71 (1994)
• [Publications] M.Yoda: "Comparison between Lightning Current Waveforms Observed by Different Measuring Systems and an introduced Three-Range Optical LAN System" 8th International Symposium on High Voltage Engineering,Yokohama,Japan,71.01. 241-244 (1993)
• [Publications] I.Miyachi: "Current Oriented Characterisitics of Lightning Discharge to Power Equipments on the Ground" 8th International Symposium on High Voltage Engineering,Yokohama,Japan,71.09. 273-276 (1993)
• [Publications] 加藤 敬一: "気中長ギャップ放電における発光の分光分布と時間応答" 平成5年電気学会電力・エネルギー部門大会. 381 (1993)
• [Publications] 宮地 巌: "長時間避雷器動作を伴う変圧器中性点電位上昇" 平成5年電気学会電力・エネルギー部門大会. 664 (1993)
• [Publications] 依田 正之: "平成4年度誘雷時の正極性雷電流波形記録" 平成5年電気学会全国大会. 1321 (1993)