1992 Fiscal Year Annual Research Report
高温超伝導体・強磁性体結合磁気シールド法の基礎研究
Project/Area Number |
03805035
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
笹田 一郎 九州大学, 工学部, 助教授 (20117120)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
円福 敬二 九州大学, 工学部, 助教授 (20150493)
船木 和夫 九州大学, 工学部, 助教授 (60091352)
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Keywords | 磁気シールド / 高温超伝導体 / 強磁性体 / 磁気シェイキング / トラップ磁束測定 / 低温用磁界センサ |
Research Abstract |
前年度作成した磁気シェイキング付き磁気シールド装置及び前年度からさらに改良を続けたフラックスゲート小型磁界センサを用い、試料にBiSrCaCu0系(Tc=100K,Jc=50A/cm^2)高温超伝導体を用いて,トラップ磁束の大きさと背景磁界周波数の関係を実験的に明らかにすことが出来た(実施計画1.)。試料冷却時に背景磁界が極性を反転する(交番磁界)ことと,試料に温度勾配が存在することがトラップ磁束を低減するための必要条件であることを明確にした。急冷条件(高さ55mmの試料の下端から上端への77Kへの遷移時間は約0.5秒)では、振幅0.3Gの背景磁界が周波数10Hz以上では,トラップ磁束は7mG以下(1/43に減衰)となった。また背景磁界周波数が0.1Hzのような低周波でも,温度勾配を保ちながら徐々に冷却することによりトラップ磁束を同様に低減できることが明かとなった。上記研究結果によって,高温超伝導磁気シールド容器の冷却は,地磁気の様な直流磁界(ほぼ減衰することなくトラップされる)を厳密にシールドした空間で実施すればよいことが明かとなった。ただ,当初もくろんでいたトラップ磁束がマルチポール場的になっているか,あるいは永久電流そのものの振幅が小さいためかは,本研究で開発した磁界センサの空間分解能(2〜3mm)では明確に出来なかった(実施計画2.3.)。 本研究の結果,直流から低周波磁界に対し大きな遮蔽率を有する磁気シェイキング付き磁気シールドを外側に配し,その内に高温超伝導磁気シールドを組み合わせれば磁束トラップの問題を回避することが出来,総合的に優れた高温超伝導体・強磁性体結合磁気シールドが実現できる見通しが得られた(実施計画4)。
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Research Products
(1 results)