1992 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ波による火害コンクリートの劣化診断法に関する研究
Project/Area Number |
03805050
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Research Institution | Daido Institute of Technology |
Principal Investigator |
太田 福男 大同工業大学, 工学部, 助教授 (70105633)
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Keywords | マイクロ波 / 火害コンクリート / 非破壊試験法 / 位相定数 / 圧縮強度 |
Research Abstract |
火害コンクリートの特徴は、劣化程度の著しい部分がコンクリートの表面から数ミリないし2〜3cm程度と浅い層をなし、深部の健全なコンクリート部分との境界が比較的はっきりしているところにある。 このような火害コンクリートの劣化診断を非破壊試験法によって行う場合は、コンクリートの全断面にわたる平均値として劣化診断をするのではなく、コンクリートのごく浅い表層部分の劣化程度を診断することが肝要である。マイクロ波は波長が短いためコンクリート中の透過率が悪い反面、コンクリート中の異質境界で内部反射する傾向があり、火害コンクリートの表層劣化部分の品質判定には適しているものと思われる。筆者はマイクロ波のこの性質を利用して、マイクロ波による火害コンクリートの劣化診断をするために、マイクロ波透過法について一連の研究を行ってきた。その結果、火害コンクリート表面の熱拡散係数を実測して、コンクリート内部の温度分布曲線を推定し、次に、マイクロ波を透過させてコンクリート全断面の平均的な位相定数を求め、両者の値から火害コンクリートの劣化深さを推定する方法を提案した。しかし、この方法もかなり測定が複雑であるなどの難点がある。 このため、本研究では、より実用的な手法として、従来の透過方法の考え方とは全く異なるマイクロ波反射法に基づいた火害コンクリートの劣化深さと残存圧縮強度を推定する方法について検討した。その結果、マイクロ波が鏡面反射側に従うことを利用して、火害コンクリートの表面劣化層の厚さを±0.5mm程度の精度で測定できること、ならびに残存圧縮強度も±20%以内の精度で測定できることなどを明らかにした。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 太田 福男 他3名: "コンクリートのマイクロ波特性値測定法に関する研究" コンクリート工学年次論文報告集. Vol.13. 473-478 (1991)
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[Publications] 太田 福男 他1名: "断面内に異誘電率層を持つコンクリート部材のマイクロ波内部反射特性に関する研究" セメントコンクリート研究論文報告集. Vol.18. 49-56 (1991)
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[Publications] 太田 福男 他2名: "火害を受けた高強度コンクリートのマイクロ波特性について" セメントコンクリート論文集. No.46. 332-337 (1992)
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[Publications] 太田 福男 他2名: "マイクロ波による火害コンクリートの劣化深さ推定に関する研究" セメントコンクリート論文集. No.46. 326-331 (1992)
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[Publications] 太田 福男 他2名: "高強度火害コンクリートの変形特性に関する実験的研究" 日本建築学会東海支部研究報告集. 第31号. 53-56 (1993)
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[Publications] 太田 福男 他3名: "高温下の高強度コンクリートの熱的性質とマイクロ波特性について" 日本建築学会東海支部研究報告集. 第31号. 57-60 (1993)
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[Publications] 太田 福男 他6名: "構造材料実験法" 森北出版 株式会社, 361 (1991)