1992 Fiscal Year Annual Research Report
九州北部における近世の伝統的木造建築大工と棟札の研究
Project/Area Number |
03805055
|
Research Institution | Kyushu Sangyo University |
Principal Investigator |
佐藤 正彦 九州産業大学, 工学部, 教授 (80098772)
|
Keywords | 伝統的木造建築 / 大工 / 棟札 / 建築工匠 / 神社建築 / 寺院建築 / 大工文書 / 建築指図 |
Research Abstract |
平成4年度は次の点に重点を於いて、ほぼ予定通り研究を推し進めた。 1)近世の伝統的木造建築関係の資料収集を県市的村史より行った(福岡県・大分県・佐賀県・長崎県・熊本県)。 2)棟札・置札等の建築関係資料調査と収集を行った(福岡県・大分県・佐賀県・長崎県・熊本県)。 3)関係資料及び棟札・置札等の整理と分析を続行した。 以上から、次のような結果を得た。 1)近世時、大分県や熊本県の大工は県外でも活躍しているが、福岡県ではそのような大工が認められない点に注意が惹かれる。 2)福岡県の場合は、大分県臼杵市や熊本県荒尾市などから大工が来て、仕事をしている。 3)大工林家文書(福岡市)を発見して、分析調査を進めた。 4)棟札・置札の寸法について検討した結果、必ずしも「吉」寸法につくられていないことが判明した。 5)したがって、江戸時代の『大匠手鑑』や『匠家故家録』に記す棟札の寸法も必ずしも遵守されていないことが分かった。 以上の結果は、裏面のとおり研究発表を行った。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] 佐藤 正彦: "福岡大工林とその仕事" 日本建築学会大会学術講演梗概集F. 989-990 (1992)
-
[Publications] 佐藤 正彦: "大分県の建築工匠(その1)" 九州産業大学工学部研究報告. 第29号. 145-189 (1992)
-
[Publications] 佐藤 正彦: "九州北部に於ける近世棟札の寸法" 日本建築学会中国・九州支部 研究報告. 第9号. 381-384 (1993)