1992 Fiscal Year Annual Research Report
イツトリウムを固溶した、ジルコニアゾルおよびゲルの構造化学的研究
Project/Area Number |
03805058
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
早稲田 嘉夫 東北大学, 素材工学研究所, 教授 (00006058)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉山 和正 東北大学, 素材工学研究所, 助手 (40196762)
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Keywords | 非晶質ジルコニア / ゾルーゲル法 / 動径分布関数 / 異常散乱法 / 安定化ジルコニア / 結晶化反応 |
Research Abstract |
ゾルあるいはゲル状物質の原子レベルの構造に関しては、物理的実験手段による検証が殆どない。この現状を踏まえて、本研究では非晶質ジルコニアの構造解析をX線異常散乱法によって行なった。高輝度X線管球およびコンピュータシステムを導入し、測定から解析まで一貫したX線構造解析システムを整備した。このシステムを用いて、ジルコニアアルコキシドおよびジルコニアオキソ酸塩の溶液より加水分解法によって合成した非晶質ジルコニアの構造解析を行なった。また、ジルコニアオキソ酸塩ー希土類塩の混合溶液より、希土類元素を固溶した非晶質ジルコニアも合成し、同様に構造解析を行なった。非晶質ジルコニアには共通して、6個の酸素原子によって囲まれるジルコニウム八面体の基本構造単位が存在する。また、ジルコニウム八面体の周囲には約4個のジルコニウム八面体が配列している。この局所構造は、単斜晶ジルコニアのそれに類似するものの、非晶質ジルコニアから最初に結晶化する正方晶ジルコニアの局所構造とは異なる。また、希土類元素を添加しても、非晶質ジルコニアの局所構造は基本的に変化せず、脱水反応によって初期に結晶化する立方晶ジルコニアの局所構造とはやはり異なる。総合的に判断すると、非晶質ジルコニアからの準安定正方晶また立方晶ジルコニアなど結晶化現象は、非晶質ジルコニアに存在する局所構造と直接には関与しないと結論できる。しかし、ジルコニアオキソ酸塩の溶液を100℃で1週間加熱することによって得られるジルコニアは、アルコキシドの加水分解より得られる試料に比較して、より単斜晶ジルコニアに類似した局所構造を有している。この結果は、製法によって材料科学的特性の異なるジルコニア試料が合成可能であることを示唆しており、今後さらに系統合な合成および構造的研究が必要であると考えられる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 杉山 和正,早稲田 嘉夫: "X線異常散乱法を応用した非晶質系物質の構造解析" 日本結晶学会誌. 34. 222-229 (1992)
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[Publications] A.H.Shinohara K.Sugiyama & Y.Waseda: "Novel application of anomalous small-angle X-ray scattering to Characterize Inhomogeneities in materials" High Temperature Materials and Processes. 10. 159-176 (1992)