1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03805059
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
金児 紘征 秋田大学, 鉱山学部, 教授 (20006688)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
泰松 斉 秋田大学, 鉱山学部, 助教授 (60125721)
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Keywords | 電析 / 金属葉 / 膜成長 / 界面成長 / 電析結晶 / 亜鉛 / コバルト / 薄膜 |
Research Abstract |
ある特殊な組合せの電解質水溶液/有機液体を選んで,その界面に電極を浮かせてカソード還元させると,金属薄膜が界面に沿って成長することがある。この現象を応用すれば新しい金属薄膜製造法とすることができるものと考えられる。したがって,本研究ではこの方法による金属薄膜製造の実験条件を詳しく調べ,金属薄膜の形態と成長機構,薄膜の物理的,化学的諸性質を総合的に調べ,他の方法で得られた薄膜と比較検討する。 本年度は昨年度に得られた結果をふまえ,2液相界面における亜鉛薄膜とコバルト薄膜の製造における有機液体の影響について検討した。 (1)硫酸亜鉛水溶液/有機液体界面における亜鉛薄膜の製造 有機液体として各種酢酸エステル,また各種高級アルコールを用い,生成する亜鉛薄膜の形態におよぼす有機液体の影響について調べた。その結果,界面成長のしやすさは有機液体そのものの表面張力とはあまり相関関係はないが,亜鉛,水溶液,有機液体の3相界面における界面張力が大きくなる系ほど界面成長しやすいことが明らかになった。なお,この研究の過程において,最適有機液体を探索するための簡便な界面張力測定法を開発した。 (2)有機液体/硫酸コバルト水溶液界面におけるコバルト薄膜の製造 各種有機液体を選びコバルト薄膜の製造を試みた。その結果、総じてコバルト薄膜は亜鉛薄膜より製造しにくいが,亜鉛薄膜の製造に適した有機薄膜が必ずしもコバルト薄膜の製造に適しないことが明らかになった。これは3相界面における界面張力が大きくなる組合せが得にくいことによる。また同一溶液を用いて実験を繰返すと,コバルト水溶液は酸化還元反応による溶液組成の変化によりだんだん薄膜成長しにくくなったため,薄膜成長を継続させるため溶液組成を制御する必要があった。
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Research Products
(1 results)