1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03805061
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Research Institution | Takaoka National College |
Principal Investigator |
麻生 三郎 高岡短期大学, 産業工芸学科, 教授 (80175877)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 克巳 高岡短期大学, 産業工芸学科, 講師 (20193245)
三船 温尚 高岡短期大学, 産業工芸学科, 助教授 (20181969)
中村 滝雄 高岡短期大学, 産業工芸学科, 助教授 (60198215)
横田 勝 高岡短期大学, 産業工芸学科, 教授 (10029225)
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Keywords | 金属工芸 / 鋳金 / 彫金 / 鍛金 / 込型鋳造 / 双型鋳造 / 蝋型鋳造 / 金属表面着色 |
Research Abstract |
金属工芸の分野では表面加飾と表面着色が重要である。そのためには金属素材、前処理としての表面研磨状態、着色法など、材料の性質から技法までを含めた総合的な知識と経験が要求される。これらを工芸的、工学的立場から総合的に検討することを目的とする。 本年度得られた研究実績のうち主たるものは以下の通りである。 1、日本国内における伝統的金属工芸品の代表的生産地として新潟県燕市の鎚起銅器産業、広島市の銅蟲起源の調査を開始した。これらの伝統的工芸が現在も引き継がれている技術的・経済的・文化的背景を調査した。2、現在受け継がれている伝統的技法による鋳造法、すなわち込型鋳造、双型鋳造及び蝋型鋳造による金属工芸作品を制作し、表面着色ならびにそれが人々に与える美的効果を比較・検討した(東京銀座ギャラリ-「なつか」にて三船温尚展示発表、煮色着色作品11点、青銅着色作品3点、平成3年10月)、3、金属工芸作品の表面加飾としての象嵌の伝統的技法の調査を行ない、技法の解析と現代技術との比較検討を行なった。4、金属工芸用素材としての鉄および鋼の加工による表面状態と着色効果、およびそれらが人々に与える美的効果についても検討した。5、金属工芸用銅合金の材質と着色方法について工芸と工学の立場から検討するために、伝統的技法を用いた着色法、主として煮色着色およびおはぐろ着色による光学分析用試料の作製を行ない次年度の継続研究とした。 銅合金の溶解から鋳型へ鋳造した際の合金添加物の偏析と着色効果を系統的に調査・検討する必要があるので、次年度は銅合金鋳造品の冷却速度と添加物(特に鉛、アルミニウム等)の関係を明らかにするとともに、上記各項目の継続研究も行なう予定である。
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