1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03805063
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
安田 清和 大阪大学, 工学部, 助手 (00210253)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 公三 大阪大学, 工学部, 助手 (70135664)
仲田 周次 大阪大学, 工学部, 教授 (90029075)
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Keywords | 極微細加工 / 極微細接合 / 走査型トンネル顕微鏡 / STM / 電界蒸発 / LB膜 / マイクロクラスタ- / 有機金属錯体 |
Research Abstract |
本研究は,1nm程度にまで接近させた金属プロ-ブと加工対象試料表面間に,数V程度のパルス電圧を印加することによって,10^9V/m〜10^<10>V/mの強電界を誘引し,引き起こされるマイクロクラスタ-の電界蒸発,スパッタリング,溶融などの局部的加工現象を利用することで対象試料の極微細接合・加工をおこなうことを目的としている.このような微小部の接合・加工を実現するため,新たにマイクロメ-トルオ-ダ-の領域をその場観察しながら実験をおこなえる電界接合・加工装置を構築した.加工対象試料への電圧印加は,プロ-ブにかけるバイアス電圧に,パルス電圧発生器からの電圧を重畳する方法でおこなった.加工対象としては電界加工装郡のSTMモ-ドによる表面イメ-ジ像が観察可能な導電性金属薄膜試料を使用した.さらに,試料の表面状態変化を増強する目的で,加工対象であるガラス基板上の蒸着薄膜表面に,LB(LangmuirーBlodgett)法により導電性有機金属錯体超薄膜(2ーOctadecylー7,7,8,8ーtetracyanoquinodimethane及び1ーDocosylpyridinium bromide)を累積した.実験により,作成した超薄膜は電界加工・接合装置のSTMモ-ドで観察するための充分な導電性を持ち,かつ表面粗さではナノメ-トルオ-ダ-の凹凸しかない超平坦性を有することがわかった.これは蒸着薄膜上にLB膜分子が規則正しく配向し,単分子膜を形成したためである.この薄膜表面に1V,1μsの短いパルス電圧を印加した場合,試料表面には明確な状態の変化はSTMイメ-ジ像からは観察されなかった.しかし,印加電圧2Vの時,25sと南時間電圧を印加することによって,直径50ナノメ-トル程度の表面の隆起領域が観察された.このSTMイメ-ジ像の変化は,1)プロ-ブ側からのマイクロクラスタ-の蒸発付着,2)金属薄膜の表面溶融,3)LB分子膜自体の導電性の変化などであると考えられる.
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Research Products
(1 results)