1991 Fiscal Year Annual Research Report
チタン酸ジルコニウム単結晶の誘電性および電気光学性
Project/Area Number |
03805066
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
井川 博行 東京工業大学, 工学部, 助教授 (30016612)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐伯 淳 東京工業大学, 工学部, 助手 (50221255)
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Keywords | チタン酸ジルコニウム / 単結晶 / 帯域溶融法 / マイクロ波誘電性 / 電子導伝性 |
Research Abstract |
本年度行なって研究の項目名をつぎに記す。(1)帯域溶融法による単結晶の合成、(2)フラックスによる単結晶合成、(3)焼結体の導電率。それらの研究実績を項目別に以下に羅列する。 帯域溶融法による単結晶の合成:ZrTiO_4は分解溶融するため、当該組成の融体からはZrO_2が晶出し目的の結晶はえられない。また、ZrTiO_4に狭いながらも固容域が存在する。そこで、融液部のTiO_2モル比を70%、原料棒のTiO_2モル比を53%とするゾ-ンレベリング法によりチタン酸ジルコニウムの結晶が生成することを明らかにした。しかしながら、固相線と液相線の温度間隔が狭いためか結晶を安定に成長させるのが困難で、原料棒の送り速度を0.4mm/h程度以下と遅くしても寸法の小さい結晶しか得られなかった。また、結晶に多数の亀裂が発生した。HfO_2を固溶させると亀裂の発生などの様子が異なることを期待して実験を行なっているが、まだ結果は判然としていない。十分とはいえなくても4、5mm程度の単結晶の成長は確認されたので、亀裂を防ぎながらもっと成長させるための研究をすすめている。 フラックスによる単結晶合成:Li_2MoO_4系のフラックスを用いて角柱状のZrTiO_4単結晶が合成されることを確認した。しかし、その寸法が小さすぎて本研究所定の計画をを遂行するには不足である。大きくするための研究を行なっている。 焼結体の導電率:ZrTiO_4系の焼結体の導電率が1000℃で10^<-3>S・cm^<-1>程度であり、導電率の組成による差は小さいことが判明した。白金を電極とした電流対電圧の関係に、オ-ム則が各温度で成立することを明らかにした。したがって、その欠陥構造に基づき予想した酸化物イオンは主な導電担体ではないことが判明した。ゼ-ベック係数の符号が約1200℃で反転するため、それより低温ではホ-ル、高温で電子が主な導電担体である。
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[Publications] A.Yamamoto,T.Yamada,H.Ikawa,O.Fukunaga,K.Tanaka,F.Marumo: "Modulateel Stracture of Zirconium Tifanete" Acta Crystalographica. C47. 1588-91 (1991)
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[Publications] 山田 俊幸,浦部 和順,井川 博行,下嶋 浩正: "低温型チタン酸ジルコニウムの変調構造" 日本セラミックス協会学術論文誌. 99. 380-83 (1991)
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[Publications] H.Ikawa,T.Yamada,K.Kojima,S.Matsumoto: "Xーray Photoelectron Spectroscopy Study of Highーand lowーTemperature Forms of Zirconium Tifanete" Journal of American Ceramic Society. 74. 1459-62 (1991)
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[Publications] H.Ikawa,H.Shimojwa,K.Urabe,O.Fukunaga: "Theumal Expansion of Solid Solutions in the ZrTiO_4ーIn_2O_3ーM_2O_5(M=Sb,Ta)System" Journal of the American Ceramic Society. 74. 1899-904 (1991)