1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03805067
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
木野村 暢一 山梨大学, 工学部, 助教授 (50029732)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊田 伸弘 山梨大学, 工学部, 助手 (90161702)
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Keywords | 導電性高分子 / インタ-カレ-ション / 無機層状化合物 / ピロ-ル / アニリン / チオフェン / ビチオフェン |
Research Abstract |
いくつかの層状無機化合物は、ピロ-ルおよびアニリンなどと反応してその層間に導電性の高分子を生成することが知られている。しかし、そのような層状無機化合物の数は限られており、さらに多くの無機層状化合物について試みる必要がある。本研究においては、VOPO_4およFeMoO_4Clなどをホストにピロ-ル、アニリン、チオフェンおよびビチオフェンの酸化・還元反応を伴うインタ-カレ-ションによる層間での導電性高分子の合成を試みた。 出発物質は、それぞれ溶液法および真空封入法により合成し、ゲスト分子はそのままあるいはアセトニトリル溶液として用い、室温から80℃の温度範囲、数時間から数日の反応時間で反応を行なった。ゲストがチオフェンおよびビチオフェンである場合にはいずれのホストにおいても顕著な色の変化は認められなかったが、ピロ-ルおよびアニリンはVOPO_4と、FeMoO_4Clはアニリンと反応して黒色の生成物が得られた。赤外吸収スペクトルは、インタ-カレ-トされた有機分子が重合して存在することを示し、X線回折像は出発物質とは異なった層間距離を生成物が持つことを示した。VOPO_4とピロ-ルからの生成物には2種類あり、層間距離のもっとも長いものは約14A^^°であった。この化合物は、化学分析の結果Vは3価にまで還元されて、かつV/Pは1:1から1:2に変化していることがわかった。したがって、ホスト層は反応によりその構造が変化しているが、生成物はX線回折像およびその加熱変化より層状構造であることが考えられた。電気伝導度の測定の結果、生成物は半導体的な性質を示すが抵抗値は数程度であり、層間に電気を良く流す高分子が生成したことを示した。生成した高分子のキャラクタリゼ-ションおよび他のホストについての結果の詳細は今後検討しなければならない。
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[Publications] N.Kinomura: "Ion Exchange of HTaWO_6 nH_2O with Divalent Cations" New Developments in Ion Exchange,edit.M.Abe,T.Kataoka and T.Suzuki,Kodasnsya,Tokyo. 253-256 (1991)
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[Publications] N.Kumada: "Synthesis and Ionic Conductivity of AVP_2O_7(A=Li,Na,K)" Phosphorus Res.Bull.1. 245-249 (1991)
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[Publications] N.Kinomura: "Intercalation of Weak Lewis Bases into HTaWO_6 nH_2O" Solid State Ionics.
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[Publications] N.Kinomura: "Intercalation of nーAlkyldiamines into HxMo_2O_4" Mat.Res.Bull.