1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03805069
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
松本 泰道 熊本大学, 工学部, 助教授 (80114172)
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Keywords | エピタキシャル成長 / 電気化学的合成 / 複合酸化物 / 超格子酸化物 / 薄膜 |
Research Abstract |
複合酸化物の一つであるLaMnO_3ペロブスカイトを白金電極上に作製する場合,これが陽分極のもとで生成するときのインピ-ダンスの変化を測定した。この結果Le含有量が増加すると膜の抵抗が大幅に増大することが明らかとなった。電解生成膜は非晶質であるが,この増大はLaがMnO_2膜に化学的に取り込まれていることを示している。同様の減少はLaCoO_3ペロブスカイト膜生成時にも観測されている。単結晶電極上へのエピタキシャル成長なルチル(TiO_2)電極上へのβーPbO_2電解析出についても見られたが,150℃以上の高い温度が必要とされた。この析出においてはβーPbO_2の格子定数がTiO_2のそれに近づくように変化することが確認され,このような現象は溶液中でははじめての発見である。この電極上にSnO_2のエピタキシャル成長も試みた。SnO_2は高温よりむしろ室温においてエピタキシャル成長しており,この結果,TiO_2(半導体)/βーPbO_2(金属)/SnO_2(半導体)の超格子ができる可能性があり,さらにβーPbO_2において量子井戸の形成が考えられる。そこではじめにTiO_2上にβーPbO_2をエピタキシャル成長させ,その後SnO_2を室温で析出した。これらの膜厚は200Å程度とした。このようにして作製したTiO_2/SnO_2膜に光照射し,そのスペスペクトル特性を求めた。このようにして作製した膜では約leVに光電流が観測され,これは形成した量子井戸によると考えられたが,現在では,これをさらに確認するため再現性,光導電性のスペクトル特性を測定している。このように電気化学的エピタキシャル成長,さらにこれを発展させた超格子膜の作製は本研究の優れた成果によるものと考えられる。
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