1992 Fiscal Year Annual Research Report
超高靭性複合セラミックス材料のための耐熱性炭化けい素光繊維の開発
Project/Area Number |
03805070
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Research Institution | The Nishi-Tokyo University |
Principal Investigator |
山田 重彦 西東京科学大学, 理工学部, 教授 (10231664)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 榮一 東京工業大学, 工業材料研究所, 教授 (70016830)
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Keywords | 炭化けい酸 / カーボンフィイバ / 耐酸化性 |
Research Abstract |
β-Sicの長繊維の試作を目的とした前報所産の試料は,見かけの上ではソフトでフレキシブルな繊維であり,フィラメント・ワインディング(FW)成形が可能と思われた。しかし,単繊維の強度測定の繰り返し試みたところ,測定に耐える強度を持たないことが分かった。 そこで,この技術ー真空下でのけい化反応ーを,前駆体であるカーボンファイバの表面に限定して行い,カーボンファイバの耐熱温度を向上させるという方向に研究の目的を切り換えた。超々音速航空機(太平洋を2時間で横断)の表面温度400℃が,カーボンファイバの酸化開始温度に等しいため,これを改良する必要があり,その目的に合う材料と考えられたからでもあった。 そこで,種々な反応条件で実験した結果,1400℃という低温下,数分程度の時間で,比較的平滑な表面をもち,かつ,単繊維の強度測定に耐える機械的特性を有する「β-SiCを被覆したカーボンファイバ」を得ることができた。 ついで,このようにして得られたファイバの耐空気酸化性について検討した結果,酸化で2%重量が減少する温度として,SiC被覆なしのファイバにくらべ100℃以上も高くなることが分かった。また.被覆したβ-SiCが薄い程,強度は大きく保たれることも判明した。さらに,等温度下での酸化速度を測定することによって酸化の機構を求めたが,結論に至らず今後に残される問題となった。 次段のアプローチとして,超高強度カーボンファイバ(例:T-800)への被覆により,耐酸化性カーボンファイバとしての強度向上を図ることにしたい。
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