1992 Fiscal Year Annual Research Report
NADHを効率的に酸化する機能性平面脂質二分子膜の作成およびその評価
Project/Area Number |
03805071
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
末永 智一 東北大学, 工学部, 助教授 (70173797)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仁科 辰夫 東北大学, 工学部, 助手 (60172673)
内田 勇 東北大学, 工学部, 教授 (50005302)
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Keywords | NADH / ジアフォラーゼ / 単分子膜 / 脂質二分子膜 / BLM / イオンチャンネル / 電子移動 / インピーダンス |
Research Abstract |
本研究により,以下のことが明かとなった. 1.マイクロ電極を用いた局所領域でのジアフォラーゼ触媒によるNAD(H)再生の評価 ガラス基板上にグルタルアルデヒド法でジアフォラーゼを単分子層固定し,マイクロ電極を近接させることにより,局所領域での酵素活性をボリタンメトリーにより評価した.その結果,固定化により酵素は失活し,約10%しか本来の酵素活性を保っていないことが明かとなった。 2.脂質二分子膜を介する電子およびイオン移動 ACインピーダンス法を脂質二分子膜の系に適用し,テトラシアノキノジメタン(TCNQ)を含む脂質二分子膜を介する電子移動反応を定量的に解析を行った.レドックス種として,Co(phen)_3^<2+/3+>,Fe(CN)_6^<4-/3->およびキノン/ヒドロキノンを用い,膜表面でのレドックス種と膜間の電子移動パラメータと膜内電子移動過程の分離した.その結果,膜表面とレドックス種との静電的相互作用が電子移行速度に大きく影響していることが明らかとなった.アラメシチンが形成するイオンチャンネルを介したイオン移動過程に関して膜電流測定ならびにマイクロ電極測定により検討を行った.マイクロ電極を膜に近接させることにより,全膜電流測定では困難であった単独のイオン種の透過性の評価を行ったところ,ヨードイオン濃度はカリウムイオンおよび塩素イオンに比べると,アラメシチンイオンチャンネルを通過しにくいことが明らかとなった.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] T.Sawaguchi: "Catalytic Capability of Diaphorase Bound to a Self-Assembled Thiol Monolayer at a Gold Electrode" Bioelectrochem.Bioenerg.29. 127-133 (1992)
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[Publications] 末永 智一: "マイクロ電極を用いた生体物質の極微量分析" BME. 5. 15-22 (1991)
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[Publications] 末永 智一: "マイクロバイオセンサ" 表面技術. 43. 759-763 (1992)
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[Publications] M.Matsuda: "Surface-Enhanced Infrared and Raman Studies of Electrochemical Reuction of Self-Assembled Monolayers Formed from p-Mitrothiophenol at Silver" Chem.Lett.1385-1388 (1992)
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[Publications] 樺澤 明裕: "微分容量測定およびIn situ表面増強ラマン散乱によるチオール単分子膜の安定性の検討" 電気化学. 60. 989-991 (1992)