ミクロゲルを要素とする新規ポリマーアロイの構築に関する基礎的研究

1992 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 03805081
• Research Institution: Tokyo Institute of Technology
• Principal Investigator: 福富 兀 東京工業大学, 工学部, 教授 (40016407)
• Keywords: ミクロゲル / 混合系 / 構造解析 / 規則的配列 / 結晶相 / ラベス相 / ポリマーアロイ / 化学的固定

Research Abstract

本研究は、ポリマーミクロゲルをもとにして新しい集積材,ポリマーアロイを調製することを主目的とした。このためまづ基礎的知見を得る一連の研究を行なった。
研究は次の各方法によって実施した。1:4-ビニルピリジンを主成分とする新規ミクロゲルの調製。2:ミクロゲル集合体の構造解析法の確立。3:ミクロゲル混合系において規則的配列構造が発現する条件をコンピュータシミュレーションによって整理すること。
以上のような目的,方法によって以下に要約する結果が得られた。 1:反応性ポリマー界面活性剤を用いる乳化重合,およびプレポリマーの橋かけによって從来調製が不可能であった4-ビニルピリジン系ミクロゲル(直径20〜800nm)得ることができた。2:走査型電子顕微鏡によって試料の同一場所を角度を変えて観測し画像解析することによってミクロゲルの配列を知り構造を明らかにする方法を開発した。3:4-ビニルピリジンを主成分とするミクロゲルと,表面に水酸基を有するスチレン系ミクロゲルの混合系において,Laves,相MgCu_2型およびNaCl型結晶構造が発現すること,この構造は粒径比によってほぼ決定されることを見出した。特に前者においては適切な割合で混合すると結晶相が90%以上に達することが判った。さらに実験とコンピューターシミュレーション結果の対比から,近距離において異種間に引力が働く系で規則的な構造が発現し易い結論を得た。またこれらの構造は化学的な方法によって固定できることを見出した。

Research Products

• [Publications] G.H.Ma Takashi Fukutomi: "Preparation and Chemical Fixation of Poly(4-vinylpyridine)Microgel Film with Ordered Structure" Macromolecules. 25. 1870-1875 (1992)
• [Publications] Takashi Fukutomi,Y.Imori,R.Saito,K.Ishizu: "The Synthesis of Microgels Composed of Polyelectrolytes" J.Applied Polym.Sci.,. 44. 737-741 (1992)
• [Publications] 福冨 兀: "新しいポリマーアロイ調整法による表面修飾" 日本ゴム協会誌. 65. 304-311 (1992)
• [Publications] 福冨 兀: "均一サイズのミクロゲル" 化学と教育(日本化学会). 3月号. (1993)
• [Publications] Y.Murakami,M.Nakamura,G.H.Ma T.Fukutomi: "Preparation of Microgels with Narrow Size Distribution and Arrangement of Buinary Microspheres System." J.Intelligent Mat.Structures.4月号. (1993)
• [Publications] G.H.Ma T.Fukutomi: "Determination of the Distribution of Interparticle Contact Angle in the Binary Mixture of Microgels" Polym.International. 4月号. (1993)
• [Publications] G.H.Ma T.Fukutomi: "Treuds of Polymer Science and Technology (分担)" Council of Scientific Research Integration (India), 20 (1993)