1991 Fiscal Year Annual Research Report
光交流法を用いた熱容量のスペクトル分析による高分子物質のガラス転移の研究
Project/Area Number |
03805082
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
猿山 靖夫 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助教授 (50162532)
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Keywords | 光交流法 / ACカロリメトリ- / 熱容量スペクトロスコピ- / 高分子 / ガラス転移 |
Research Abstract |
1.交付申請書に記載した「研究目的・研究実施計画」では、FFTアナライザ-の既存装置への組み込み、試料温度検出器の改良、試料の取り付け方法の改善、の三点を本年度の計画とした。 (1)FFTアナライザ-の組み込みは終了し、テストの結果十分な精度、分解能があることを確認した。 (2)温度検出器については、真空蒸着法によって構成した熱電対からリ-ド線を取り出す部分が製作上のネックであったが、リ-ド線の固定部と熱電対の間に金属箔を用いることにより、強度と製作の容易さを満足する結果を得た。 (3)試料の取付け方法は、融解による密着、熱伝導率の高いワニスあるいは電気伝導性接着剤の使用等を、試料の種類により使い分けることとした。 2.当初計画外のこととして、加熱方法の改良を行なった。従来使用してきた穴あき回転円板による機械的ライトチョッパ-では、加熱に含まれるフ-リェ成分の制御が不十分であることが判明したためである。現在、ステッピングモ-タ-により偏光板を回転させる方法をテスト中であるが、これまでのところ良好な結果を得ている。光加熱以外の方法としてジュ-ル加熱が考えられるが、制御周波数離囲の点では優れているものの、信号のS/N比、現有装置の利用の点で、光加熱の方が有利である。
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