1991 Fiscal Year Annual Research Report
デッドエンド上向流および膜面傾斜型限外濾過にタンパク質の分離・濃縮
Project/Area Number |
03805089
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
入谷 英司 名古屋大学, 工学部, 助教授 (60144119)
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Keywords | 限外濾過 / 膜分離 / 上向流濾過 / 膜面傾斜濾過 / タンパク質 / デッドエンド濾過 / ゲル層 / 濾過速度 |
Research Abstract |
1.研究目的 通常のクロスフロ-をまったく与えないデッドエンド限外濾過による新しい高速分離法の確立を目的として、濾液の流れ方向を重力の方向と逆にした上向流濾過、および膜面を種々の角度に傾斜させた膜面傾斜型濾過法を提案し、主としてタンパク質溶液の分離・濃縮に対する有効性を明らかにする。 2.研究の経過、成果ならびに考察 (1)タンパク質溶液を対象として上向流および膜面傾斜型限外濾過法の有効性を検討した。本方法によれば、濾過速度をかなり高い状態に保ちつつ、最終的にはほぼ定速で濾過を行うことが可能であることを明らかにした。 (2)濾過面積急縮小型のデッドエンド限外濾過器を使用して、膜面上に形成されるゲル状ケ-ク層の空隙率や濾過比抵抗値を測定し、濾過速度との関係を明らかにした。 (3)上向流および膜面傾斜型限外濾過における濾過諸特性と、濾過圧力や膜面の傾斜角度、溶質の密度・粒径等の試料の諸特性や濃度との関係を検討し、ゲル状ケ-ク層の剥離がケ-ク層を構成する溶質に働く重力の影響によるものであることを明らかにした。 3.今後の問題点 タンパク質溶液に対して上向流および膜面傾斜型限外濾過がかなり有効であることを明らかにしたが、その最適操作と設計の指針を確立するために、ゲル状ケ-ク層の剥離機構をさらに詳細に検討して濾過機構を明らかにする必要がある。 4.設備備品の利用状況 カ-ボセップ・マイクロモジュ-ルは濾過器本体として、また攪拌機付加圧濾過用タンクは濾過器への試料の供給、低温恒温槽は試料液の温度制御、フロ-タ-流量計は流量測定のためにそれぞれ利用した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 入谷 英司: "デッドエンド・フィルタ-による上向流および膜面傾斜型定圧限外濾過" 化学工学論文集. 17. 206-209 (1991)
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[Publications] Eiji Iritani: "Analysis of Filtration Mechanism of Crossflow Upward and Downward Ultrafiltration" J.Chem.Eng.Japan. 24. 39-44 (1991)
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[Publications] Eiji Iritani: "Effect of Solution Environment on Unstirred DeadーEnd Ultrafiltration Characteristics of Proteinaceous Solutions" J.Chem.Eng.Japan. 24. 177-183 (1991)
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[Publications] Eiji Iritani: "Analysis of Filtration Rate in Clarification Filtration of PowerーLaw NonーNewtonian FluidsーSolids Mixtures under Constant Pressure by Stochastic Model" J.Chem.Eng.Japan. 24. 581-586 (1991)
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[Publications] Eiji Iritani: "Effects of pH and Solvent Density on Dead End Upward Ultrafiltration of Proteinaceous Solutions" J.Membrane Sci.
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[Publications] Eiji Iritani: "Ultrafiltration of Proteinaceos Solutions by Use of Dynamic Membranes Formed by BodyーFeed Method" Membrane.