1991 Fiscal Year Annual Research Report
家蚕における還元型単為発生の誘発とその遣伝学的研究
Project/Area Number |
03806009
|
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
横山 岳 東京農工大学, 農学部, 助手 (20210635)
|
Keywords | 家蚕 / 還元型単為発生 / 不還元型単為発生 / 自然単為発生 / 人為単為発生 / 卵巣卵 |
Research Abstract |
家蚕における還元型単為発生の誘発は自然単為発生によるものが従来よく知られている。しかし、誘発時および誘発中の卵の保護状態については詳細に報告されていない。そこで卵の保護温度について調査を行なった。 材料蚕は高温催青したCTK×CambodgeのF_1雌蚕(re/ +^<re>)を用いた。羽化後、卵巣卵を摘出し、24時間25℃で保護したのち、17℃区、25℃区及び(17℃16時間、25℃8時間)区をもうけ、卵巣卵を30日保護した。 (re/ +^<re>)卵巣卵を用いているため、還元型単為発生が起きた場合、re: +^<re>=1:1の分離を示し、不還元型単為発生が起きた場合には +^<re>卵の割合が高くなる。 17℃区では、re卵0.975%、 +^<re>卵1.150%の計2.125%、25℃区では、re卵0.200%、 +^<re>卵0.400%の計0.600%、(17℃16時間、25℃8時間)区では、re卵1.650%、 +^<re>卵1.175%の計2.825%が誘発された。自然単為発生では還元型単為発生がおおく誘発される結果をしめした。一定温度に保護する場合25℃保護よりは17℃保護の方が誘発率は高いが、17℃保護と25℃保護を組み合わせた方が更に誘発率が高くなることがわかった。 自然単為発生率を高めても数%しか、単為発生卵を得ることができないので、さらに効果的に還元型単為発生を誘発させるために温湯処理による人為単為発生卵の誘発を試みた。材料蚕は同じくCTK×CambodgeのF_1雌蚕(re/ +^<re>)を用いた。羽化後、卵巣卵を摘出し、25℃で24時間保護した。温湯処理は46℃とし、処理後は17℃で保護した。46℃で10秒から3時間まで様々な温湯処理を行った結果、2分処理により、最も効果的であり、re卵と +^<re>卵が20.0%、19.0%それぞれ誘発された。
|