1992 Fiscal Year Annual Research Report
硫黄細菌によるチオシアン及び関連硫黄化合物の分解とその遺伝子のクローニング
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03806017
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| Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
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Principal Investigator |
片山 葉子 東京農工大学, 農学部, 助手 (90165415)
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| Keywords | 硫黄酸化細菌 / チオシアン / チオシアン加水分解酵素 / Thiobacillus thioparus |
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| Research Abstract |
硫黄酸化細菌であるThiobacillus thioparusはチオシアンを唯一のエネルギー源とする。この細菌から初めて単離されたチオシアン加水分解酵素の生化学的性質を中心に研究を行った。
1.チオシアン加水分解酵素の生化学的性質:本酵素活性は低濃度のシアンによって可逆的・非拮抗的に強く阻害を受け、シアンに対する阻害定数は14.8μMであった。シアン以外の様々な試薬との反応性を比較したところシアンによる阻害は金属やSH基との反応ではなくカルボニル基との反応によるものである事が示唆された。シアンによる本酵素活性の阻害がユニークな事から、今後はこの阻害機構を更に詳細に解析する。
2.チオシアン加水分解酵素遺伝子のクローニング:T.thioparusから染色体DNAを単離しその制限酵素断片をprokaryotes用発現ベクターに組み込み大腸菌を宿主としてライブラリーを作成した。酵素の各サブユニット蛋白質に対するポリクローナル抗体を用いスクリーニングを行なった結果、酵素タンパク質の合成を示す3クローンが得られた。しかしその後の解析の結果挿入されたDNAが早い時期に脱落したことが示され、クローニング操作の改良を計りさらにスクリーニングを試みる計画である。
3.硫化カルボニルの代謝:チオシアン加水分解酵素によりチオシアンは気体である硫化カルボニルとアンモニアに変換される。T.thioparusによる硫化カルボニルの代謝を解析するためにチオシアン加水分解酵素を用いた硫化カルボニルの生成系の構築を行った。その結果チオシアンと酵素を30℃、80分間反応させた後そのpH調整を行なうことによって、15mM以上の硫化カルボニルを基質として含む反応系を作る事が出来た。この系を用い硫化カルボニル代謝にかかわる酵素の探索などを試みる計画である。
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