1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03807001
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
後藤 隆洋 大阪大学, 医学部, 講師 (20135693)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 雅俊 大阪大学, 医学部, 講師 (00179649)
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Keywords | 神経細胞 / 細胞骨格 / ニュ-ロフィラメント / リン酸化 / 軸索終末 / アルミニウム中毒 / 免疫細胞化学 / 急速凍結ディ-プエッチ法 |
Research Abstract |
ニュ-ロフィラメント(NF)の各サブユニットに対する抗体を用いてラット及びウサギの小脳プルキンエ細胞と脊髄前角細胞の細胞体、樹状突起及びその周囲に存在する軸索及び軸索終末を用いてニュ-ロン内におけるNF蛋白質の分布を明らかにした。最近入手したNFーHの非リン酸化epitopeのみを認識する抗体も用いて、より明確に理解できたことであるが、NFーHに関してはその分布がリン酸化の具合により著しく異なることがわかった。すべてのニュロンがNFをもつのではなく、ある種の細胞はいずけの抗体でも染色されず、またここではNF構造も見られずNFが存在しないと考えられる。NFーHとNFーMのリン酸化したepitopeを認識する抗体は軸索を特異的に染めるが、NFーHをリン酸化の程度にかかわらず認識する抗体及びNFーHの非リン酸化epitopeのみを認識する抗体はニュ-ロンの全体を染色する。しかし太く長い樹状突起ではNFーH,NFーMがリン酸化され、ここではNFが束を作り平行に走行し軸索のそれに類似している。NF蛋白質は細胞体、樹状突起と軸索終末では微細管、ミトコンドリアの分布に一致していることがわかり、また軸索終末では非リン酸化NFーHのみならずリン酸化したものも軸索同様にみられ、リン酸化と脱リン酸化の相互変換は今まで考えられていたような軸索終末のみではなく軸索全体に渡って行われていると考えられる。非リン酸化NFーHの存在状態については不明であったが、リン酸化NFーHと同様NFに組込まれファラメントを形成していることが、コロイド金標識で明らかになり、リン酸化しなくても他の細胞骨格系、細胞質蛋白質と相互作用することが示唆される。塩化アルミニウム処理ウサギの脊髄前角細胞体に集積したNFを用いて、NF間のクロスブリッジの規則性がNFーHのリン酸化の程度が増すにつれて増加する傾向が有することがわかり、平行なNFの配列には発達したクロスブリッジが必要なことが考えられる。個体発生学的検索ではラットプルキンエ細胞において(ここではNFーHのリン酸化されたものは存在しない)津後5日にNFーHが出現し、これ以前のNFはNFーLのみ(NFーMについては不明)から成り、その後NFーHが付加されトリプレットのNFが形成される知見を得た。
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[Publications] T.Gotow: "The cytoplasmic structure of the Cixon terminal" Progress in Neurobiology.
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[Publications] T.Gotow;M.Takeda;P.H.Hashimoto: "Macromolecular structure of reassembled neurofilaments as reuealed by quickーfreeze deepーetchi mica melhod:Difference between NFーM and NFーH subunits in ability to form crossーbridges" European Journal of Cell Biology.