1993 Fiscal Year Annual Research Report
PCR法を用いたHTLV-I母児感染の機序および疫学に関する研究
Project/Area Number |
03807016
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
武居 洋 琉球大学, 医学部, 教授 (70039501)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 裕美子 琉球大学, 遺伝子実験施設, 助手 (70244340)
前濱 俊之 琉球大学, 医学部, 助手 (50157153)
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Keywords | 母児感染 / PCR / provirus copy数 / 定量化 |
Research Abstract |
〔目的〕第1年度の研究結果の1つとして、キャリア母の末梢血provirus copy数が児のキャリア化に相関性を示し母児感染の有用な指標となりうることが示唆された。そこで今回、このprovirus copy数の測定を、従来の半定量法から正確な定量法へと発展させ、母乳感染の成立とvirus量とが如何に関係しているか、さらに明確にすることを試みた。 〔方法〕PCR法によりprovirus copy数の半定量法を行ない、定量法にはそのPCR法で得られたDNAの放射活性を、イメージアナライザーにより測定しDNA量をcopy数として算出した。 〔結果〕1、キャリア母28例のprovirus copy数は10^<-3>copy/cell以上が15例、10^<-4>copy/cell以下が13例であり、前群の児31例中8例が(25.8%)キャリア化し、後群の児21例中にキャリア化はなかった。2.母28例のうち、定量しえた12例、児52例のうち34例について、provirus DNA量を検討した。母のDNA量は0.124〜0.0009copy/cellの範囲にあった。キャリア化した児1例ではDNA量が0.054copy/cellで、その母のDNA量は0.008copy/cellであった。 〔結論〕HTLV-I母乳感染では、母のprovirus copy数の多寡が、その児のキャリア化と相関する。HTLV-I provirus DNAの正確な定量法が確立され、この方法で定量するとキャリア化した児の中には、その母より多量のprovirus DNAを保育している例がある。
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Research Products
(1 results)