1991 Fiscal Year Annual Research Report
微量組織からの年齢推定に関する研究:DNA酸化障害の加齢変化による解析
Project/Area Number |
03807033
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高取 健彦 東京大学, 医学部(医), 教授 (30001928)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 啓 東京大学, 医学部・(医), 助手 (30174361)
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Keywords | 加齢 / DNA / Oh^8dG / マウス賢 / ヒト賢 |
Research Abstract |
法医実務上,年齢の推定が個人識別を行う上にきわめて重要であり,硬組織を試料とした研究がその主流をしめていた。我々は軟組織からでも年齢を推定できることを明らかにするため,以下の研究を行った。 核酸の一種である8ーハイドロキシー2'ーデオキシグアノシン(Oh^8dG)が加齢とともに増加するかをマウスとヒト賢臓を用いて実験した。雌性マウス(BALB/C)を生後0,5,10,15,20,25週ごとに5匹ずつを一群とし,常法に従がい賢臓からDNAを抽出した。抽出したDNAはヌクレア-ゼで処理した後,アルカリホスファタ-ゼ処理し構成成分であるヌクレオシドまで分解した。このヌクレオシド中のOh^8dGをHPLCを用いて測定した。HPLC条件は次のとおり:カラム;Yanapa KODSーA,φ4.6×250,溶離液;10%メタノ-ル含有10mM酸酸アンモニウムBuffer pH5.5,検出器;電気化学的検出器。試料としたヌクレオシドはDNA量として,約200μgをHPLCに導入した。UV検出器では他のヌクレオシドの影響でクロマトグラムはオ-バ-スチ-ルするが,電気化学的検台器を用いると8位のーOHの酸化還元電位により,選括的にOh^8dGを検出し得,1〜100ngの範囲で検量線は直線を示した。マウス賢臓から抽出したDNAのμg当りのOh^8dGのフェムトモル量は10〜100の範囲で増加傾向を示し,正の相関があることが明らかになった。次に当教室で司法解剖した症例の中から20,30,40,50,60,70才台を代表する8試料を選び,マウスと同様に賢臓からDNAを抽出し処理した。ヒトの場合は試料数が少ないこともあるが,総じて加齢とともにOh^8dGは増加し,正の相関があることが明らかになった。ヒトの他の臓器についても検討を加える一方,試料数を多くすることにより,精度を高めていくことを検討中である。
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Research Products
(1 results)