1991 Fiscal Year Annual Research Report
核内レチノイン酸リセプタ-が肺気管支系に果たす生物作用に関する研究
Project/Area Number |
03807046
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
秋田 弘俊 北海道大学, 医学部附属病院, 助手 (70222528)
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Keywords | 肺癌 / レチノイン酸 / レチノイン酸リセプタ- |
Research Abstract |
呼吸器疾患とくに肺癌において核内レチノイン酸リセプタ-(RAR)遺伝子の構造異常や発現異常肺癌の発癌や進展に果たす役割を明らかにするため、肺癌細胞株より全細胞RNAを抽出し、ノ-ザンブロット法でRAR遺伝子の発現異常の有無を検討した。 1)Chambon教授(フランス国立生物研究所)よりRARーα、ーβ、およびーγ遺伝子のcDNAを含むplasmid DNAの供与を受けた。 2)RARーα、ーβ、およびーγ遺伝子のcDNAを含むplasmid DNAを、それぞれ大腸菌株HB101細胞を用いて、増殖した。 3)RARーα、ーβ、およびーγ遺伝子のcDNAを含むplasmid DNAを制限酵素で切断して、核酸ハイブリダイゼイションのプロ-ブとして用いるDNA断片を作製した。 4)ヒト肺癌培養細胞株NCI H82,H209,H249,H510(以上小細胞癌),H226,H358,H460,H596(以上非小細胞癌)より全細胞RNAを抽出、精製した。 5)上記ヒト肺癌培養細胞株由来の全細胞RNAを用いて、ノ-ザンブロット法でRARーα、ーβ、およびーγ遺伝子の発現を検討した。すべての肺癌細胞株においてRARーαおよびーγ遺伝子の発現を認めた。一方RARーβ遺伝子の発現は認めなかった。 6)今後はRNAse protection assay法を用いて、RARーβ遺伝子の発現並びに発現mRNAの異常を検討する予定である。
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