1993 Fiscal Year Annual Research Report
レーザー血管形成時の血栓形成と再狭窄の機序に関する研究
Project/Area Number |
03807052
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Research Institution | UNIVERSITY OF TOKYO |
Principal Investigator |
東丸 貴信 東京大学, 医学部(病), 助手 (60180163)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊岡 照彦 東京大学, 医学部, 教授 (00146151)
内田 康美 東京大学, 医学部(病), 助教授 (60010419)
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Keywords | レーザー血管形成術 / 血管内視鏡 / 血栓形成 / 再狭窄 |
Research Abstract |
基礎研究:6羽の高コレステロール食による家兎総腸骨動脈硬化病変に対し、一方の血管に先端加熱型レーザープローブあるいはアルゴンレーザー直接照射による血管形成を行い、他方を血管形成用バルーンカテーテルで拡張し血管造影と血管内視鏡で血管形成術の評価をした.平均血管狭窄度はバルーン例で76%より5%に、レーザー群では82%より24%に減少した(P<0.0001).しかし、1ケ月後にはバルーン群で平均狭窄度は63%,レーザー群では26%となった.バルーン群では再狭窄(50%以上の狭窄)は3例にみられたが、レーザー群では1例もなかった.血管形成術時にヘパリン200U/kgを静脈注射し、1時間後に血管内視鏡で観察したところレーザー群では2例に壁在血栓のみがみられ、バルーン群では2例に閉塞性血栓、4例に壁在血栓がみられた.免疫組織染色法を用いて血小板由来増殖因子(PDGF)の発現を検討したところ、予備実験で血管形成術後数日以内に内膜から中膜にかけて発現がみられ、1ケ月後の再狭窄病変内膜肥厚部には広範な発現がみられた.PDGFは増殖血管平滑筋部に集中していた.以上の結果より、レーザー血管形成術により再開大血管腔内の血栓形成性を減少させ、血栓成分より放出されるPDGFの血管平滑筋の遊走や増殖を引きおこす増殖因子発現を抑制することにより実験的再狭窄予防効果があることが示唆された. 臨床研究:大腿腸骨動脈領域の閉塞性動脈硬化症患者15例でレーザープローブによる血管形成術と術後抗トロンビン療法を行ない、70%の成功率と成功例では全例急性再閉塞予防に成功した.現在、6ケ月後の予後追跡中である.
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Research Products
(1 results)