1991 Fiscal Year Annual Research Report
慢性活動性EBウイルス感染症の病因・病態の解明と治療法の開発
Project/Area Number |
03807059
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
多和 昭雄 大阪大学, 医学部, 講師 (00155277)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 純一 大阪大学, 医学部, 助手 (00238156)
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Keywords | 慢性活動性EBウイルス感染症 / 伝染性単核球症 / EBウイルスゲノム / 末梢リンパ球サブニユット / 顆粒リンパ増多症 / 予後因子 / 治療法 |
Research Abstract |
1)EBウイルス(EBV)ゲノムの検索ー慢性活動性EBV感染症(CAEBV),伝染性単核球症(IM)の各16例についてEBVゲノムを検討した。CAEBVでは、BamHIWをプロ-ブとしたSouthern blot法で16例中7例にゲノムが証明された。PCR法による検討では10例全例で陽性であった。一方IMでは、PCR法で検討を加えた8例全例で陽性であったが,Southern法では16例全例がゲノム陰性であった。このことからCAEBVにおいては,IMに比しゲノム量が多いことが明らかとなったまた,CAEBV症例では,Southern法の結果と,末梢血リンパ球サブセットにおける活性化抗原の陽性率との間に相関のある可能性を示す結果が得られつつある。2)顆粒リンパ球増多症(LDGL)を合併したCAEBV例の検討ーCAEBV経過中にLDGLを合併する症例があり,CAEBVの病因病態を知る上で興味深い。LDGLを合併した5例について免疫学的検討をおこなった。表面形質はいずれもCD3陰性であった。ADCC活性は高値を示す例が多かったが,NK活性は一定の傾向がみられなかった。クロナリティの検討では、2例が染色体異常が認められクロナリティが証明され,他の2例においてもEBVのterminiプロ-ブでモノクロナリティの証明がなされた。3)治療法,予後因子の検討ー新規症例がなかった為,アンケ-ト調査による37例の解折をおこなった。臨床検査成績では,初診時から汎血球減少や肝機能障害の認められる例では予後不良。初診時抗EAーPR抗体陰性例は予後不良であることが明らかとなった。治療法に関しては、一時的に有効であった例をふくめると、ステロイド剤は14例中8例,ILー2は8例中4例,IFNーαは6例中3例に有効であった。
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[Publications] 石原 重彦,多和 昭雄他: "本邦における慢性活動性EBウイルス感染症の特徴 2.検査成績と治療法からみた予後因子の検討" 日本小児科学会雑誌.
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[Publications] Junichi Hara et al: "Developmental process of the Tーcell receptor α and δ gene assemblyin Bーcell precursor acute lymphoblastic leukaemia" British Journal of Haematology. 78. 180-186 (1991)
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[Publications] Junichi Hara et al: "Differential Usage of δ Recombining Element and Vδ Genes During F cell Ontogeny" Blood. 78. 2075-2081 (1991)
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[Publications] Keiko YumuraーYagi and Junichi Hara et al: "Clinical significance of CD7ーPositive Stem Cell Leukemia A Distinct Subtype of Mixed Lineage Leukemia" Cancer. 68. 2273-2280 (1991)
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[Publications] Hiroki Kurahashi and Junichi Hara et al: "Monoclonal Nature of Transient Myelopoiesis in Down's Syndrome" Blood. 77. 1161-1163 (1991)