1992 Fiscal Year Annual Research Report
胎仔における先天性心疾患実験モデルの作製とカテーテルによる非開胸的治療法の開発
Project/Area Number |
03807060
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
柳沢 正義 自治医科大学, 医学部, 教授 (90049031)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白石 裕比湖 自治医科大学, 医学部, 講師 (40187521)
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Keywords | 動脈管開存 / 胎仔 / 先天性心疾患 |
Research Abstract |
平成4年度には羊胎仔を用いた先天性心疾患実験モデルとして動脈管開存について検討した。 〔方法〕妊娠羊(7頭)をフォルマリン少量投与群(3頭)と多量投与群(4頭)の2群に分け、腰椎および静脈麻酔し、開腹して子宮を切開、胎仔左側胸部を露出した。これを皮膚切開・開胸し、心嚢を開き動脈管を剥離して、10%フォルマリンを動脈管の外膜全周に渡って注入した。閉胸し、子宮を縫合して妊娠を継続した。出生を待って心エコー検査と心臓・血管造影にて動脈管開存の有無を検討した。 〔結果〕胎仔の開胸と動脈管外膜へのフォルマリン注入(少量群0.1ml,多量群0.3ml)は安全に行なえた。フォルマリン少量投与群3頭のうち2頭は自然分娩で出生した。出生後の心エコー検査と心臓・血管造影では動脈管は生後2日以内に自然閉鎖していた。1頭は術後感染症で母体が死亡した。フォルマリン多量投与群4頭のうち2頭は自然分娩で出生したが死産であった。1頭は帝王切開で娩出させたが生後に自発呼吸がなく、蘇生に反応せず死亡した。1頭は妊娠を継続中である。 〔結語〕羊胎仔を用いた先天性心疾患実験モデルとして動脈管開存の作製について、フォルマリン少量注入では動脈管壁の壊死が不十分であり動脈管開存の作製ができず、多量注入では漏出したフォルマリンにより動脈管壁周辺(肺実質など)の壊死が強く出生後に生存ができない。
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