1991 Fiscal Year Annual Research Report
自家骨髄移植とcytokinesの臨床適用による食道癌集学的外科治療の新しい展開
Project/Area Number |
03807081
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
平山 克 東北大学, 医学部附属病院, 講師 (20181191)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒川 良望 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (80215087)
志賀 清人 東北大学, 医学部, 助手 (10187338)
高屋 潔 東北大学, 医学部附属病院, 講師 (60188092)
西平 哲郎 東北大学, 医学部, 講師 (50101142)
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Keywords | 自家骨髄移植 / cytokine / GーCSF / GMーCSF / ILー3 / 末梢血マクロファ-ジ |
Research Abstract |
自家骨髄移植に関しては、手術時の肋骨片よりの骨髄採取手技についてさらに症例を重ね、採取細胞数や骨髄幹細胞活性、手技の安全性などにおいて成績の向上を認めた。しかし、長期間凍結保存後の骨髄細胞の回収率やviabilityは末だ満足すべき結果が得られていない。その主な要因としては、食道癌患者の大多数が高齢者であるため、加齢に必然的に伴う骨髄機能の低下が挙げられる。この点は避けて通れない重要な問題であり、今後の研究に課せられた大きな課題である。 肋骨片より採取した骨髄細胞をin vitroにおいて各種のcytokine(GーCSF,GMーCSF,ILー3)と混合培養し、患者への自家骨髄輸注に際しての骨髄細胞機能の賦活化の可能性を試みた。その結果、添加培養時の骨髄細胞数の変化から見ると、GーCSFとCMーCSFの効果は同程度であり、且つILー3に比べて優っている事、さらに,これらcytokineを単剤投与するよりも、複数を同時に投与する方が効果が大きい事が判明した。これらは、元来骨髄機能が低下している食道癌患者に対する自家骨髄移植の臨床適用を進めていく上で貴重なデ-タになるものと思われる。 末梢血マクロファ-ジFcrーreceptor解析に関しては、再発の有無や長期予後に係わる重要な免疫学的指標になりうる可能性が示唆される成績を得ている。しかし、この点については、さらに症例を増やし、また長期間の予後についての慎重なfollow upが必要であり、今後さらに研究を進めていく。 cytokine (TNF、ILー2、IFN)の3剤併用投与の臨床適用については、症例数も20例を越けており、副作用等の投与の安全性についてはほぼ確立されたと考えられる。cytokine投与時の各種免疫学的指標の推移についても成績が蓄積されつつあるが、遠隔成績に関しては、更に今後の検討が必要である。
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