1991 Fiscal Year Annual Research Report
人工筋肉を用いた麻痺上肢機能再建に関する実験的研究
Project/Area Number |
03807096
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
河井 秀夫 大阪大学, 医学部・整形外科, 講師 (80186048)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 啓郎 大阪大学, 医学部・整形外科, 教授 (70028330)
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Keywords | 人工筋肉 / 麻痺上肢 / 脊髄損傷 / 末梢神経損傷 |
Research Abstract |
本年度は生体筋特性を知りうる目的で,筋肉長の変化をIn Vivo測定できるソノマイクロメ-タを用いて,ウサギ肋間筋の長さ変化を調べた。肋間筋は呼吸時に筋活動がみられ,収縮弛緩がくり返されている。肋間筋は部位により態様が相違し,傍胸骨部肋間筋は吸気時に収縮呼気時に弛緩とリズミカルに活動するが,外肋間筋や内肋間筋は呼吸リズムとの関与は小さかった。外肋間筋や内肋間筋が大きく関与するのは,体幹回旋や姿勢変化などのときであることがわかった。ソノマイクロメ-タによる筋長変化の観察から,前肢上腕二頭筋は関節運動全可能域で約10パ-セントの長さ変化がみられた。人工筋肉が生体内で動き活動するには,筋長が10パ-セントは変化する必要がある。現在人工筋肉として,外部出力ならびに制御性が容易で、電気的コントロ-ルが可能な形状記憶合金ばねをフィルムで作った人工筋肉の殻に通すものを試作中である。形状記憶合金ばねの形状回復温度は70度C,線材径0.2mm,コイル径1mm,バネ指数5,巻数309回,コイル長61.8mm,歪み2パ-セント,たわみ66mm,軸荷重0.044kgである。この形状記憶合金コイルばねをアクチュエ-タとし、くり返し伸び縮みができる条件として,短縮加温した状態からいかに効率よく冷却できるかを解決する必要がある。形状記憶合金による入工筋肉は機械的なかたさが残り,主に外部出力を考慮した素材であるが,フィルムをそれに巻きつけてやわらかさをもたせ,生体筋にちかい紡錘筋をつくり,生体筋との特性を比較検討する。
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[Publications] Tsutomu Hashimoto;Masanori Mitomo;Norio Hirabuki;Takashi Miura;Ryugi kawai;Hironobu Nakamura;Hideo kawai;Keiro Ono;Takahiro Kozuka: "Nerve root auulsion of birth palsy:Comparison of myelography with CT myelography and Somatosensory euoked potential." Rediology. 178. 841-845 (1991)
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[Publications] 河井 秀夫: "分娩麻痺の診断,早期神経手術と予後評価" 新時代の整形外科治療. 3. 58-71 (1991)
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[Publications] "肋間神経交差縫合術術後機能回復した上腕二頭筋の磁気刺激による運動誘発電位(MEP)について" 日整会誌. 66. S585 (1992)