1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03807100
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
大串 始 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (80213669)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三井 宜夫 奈良県立医科大学, 医学部, 助教授 (70145845)
土肥 祥子 奈良県立医科大学, 医学部, 助教授 (50155628)
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Keywords | 骨形成 / セラミック / ハイドロキシアパタイト |
Research Abstract |
研究代表者の大串 始は骨髄細胞(Bone lining cellを含む)を使用し細胞レベルでの骨形成の研究を数多く行なってきた。これらの研究では、ラット骨髄細胞と多孔性のハイドロキシアパタイトセラミックの皮下移植により、セラミックの気孔内に100%の効率で骨形成を起こす条件を見いだしている。しかしその骨形成には大量の骨髄細胞を必要とした。すなわち骨髄細胞は血液原性細胞を含む非常に雑多な細胞集団で、この中のごくわずかな未分化細胞(stem cell)が骨芽細胞に分化し得る、あるいはごくわずかの当初より存在している骨芽細胞が分裂増殖すると思われる。また、ヌードマウスを使用しヒト骨髄細胞がセラミック内で骨形成をおこすことを確認している。しかし、ヒト骨髄細胞の場合この骨形成能はラットに比較し効率は劣る。この骨髄細胞を培養系に持込みセラミックとの複合移植を行なったがやはりラット新鮮骨髄細胞に比較しその骨形成能は劣っていた。 このため本研究では骨髄細胞のなかの未分化細胞より骨形成能を有し得る細胞、あるいは骨芽細胞を選択もしくはクローニングする事にある。そのためには骨形成能を有する細胞のマーカーが必要となる。我々はすでにオステオカルシン(BGP;bone gra protein)のcDNAのクローニングに成功していた、4年度においてこのDNAを使用し骨髄の通常の培養ではBGP遺伝子の発現が行われていないことが判明した。また骨形成の他のマーカーであるalkaline phosphatase(ALP)のクローニングにも成功した。以上より骨髄細胞中の骨芽細胞、あるいはその前駆細胞が今後同定出来ると思われる。
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[Publications] H.Ohgushi,et al.: "“Bone formation process in porous calcium carbonate and hydroxyapatite"" J.Biomed.Mat.Res. 26. 885-895 (1992)
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[Publications] H.Ohgushi.et al.: "“Persistence of osteoblastic phenotype exression in marrow/hydroxyapatite composite"" Bioceramics. 5. 119-124 (1992)