1991 Fiscal Year Annual Research Report
フェニルプロパノイド生合成系遺伝子の発現を調節する未知可動遺伝子の探索
Project/Area Number |
03807150
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
飯田 滋 東京理科大学, 基礎工学部, 教授 (30012777)
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Keywords | 高等植物 / アサガオ / マルバアサガオ / 可能遺伝因子 / トランスポゾン / フェニルプロパノイド生合成 / アントシアニン色素生合成 / 絞り花 |
Research Abstract |
現在、遺伝子発現の制御に関する研究はそのほとんどが遺伝子のプロモ-タ-領域の解析などの転写調節機構の解明を目的とした研究である。しかしながら、遺伝子発現の制御は転写以外にも種々のレベルで行われており、本研究のようなDNAレベルでの制御、すなわち非相同性の組換えによるDNA再編成による遺伝子発現の制御は近年注目を集めている。薬用植物の牽牛子として奈良時代に渡来し、江戸時代に各種の園芸種が作出されたアサガオの絞り花の形成も転移因子によるDNA再編成の関与した色素生合成系遺伝子の発現制御の結果ではないかと考え、絞りアサガオより未知転移調節因子を単離することを試みた。 アサガオは花色や花・葉などの形態に関する種々の変異体が存在し、本研究で用いた絞りアサガオは遺伝学的には雀斑(Flecked)と呼ばれるもので江戸時代に分離され、昭和10年代に詳細な遺伝学的研究の行われた系統である。なお、濃紫色の花を咲かせるアサガオの一系統を、対照の全色花として用いた。まず、全色アサガオと絞りアサガオの両方よりDNAを分離し、すでに単離されているペチュニアなどのアントシアニン色素生合成系の遺伝子をプロ-ブとしたサザンハイブリダイゼ-ション法を行ったところ、絞りアサガオDFR遺伝子中に6kbのDNA配列が挿入されていると考えられる結果を得た。そこで、アサガオDFR遺伝子領域を絞り及び、全色アサガオよりクロ-ニングし、解析をした結果、この6kbのDNA配列の末端領域には転移因子に特徴的な逆反復配列と標的重複配列が見いだされ、その末端逆反復配列及び標的重複配列の塩基数は、よく解析されているトウモロコシの転移調節因子の一つSpmに極めて類似していた。従って、我々はアサガオより最初に転移調節因子を単離したと考えられる。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] R.Bilang: "The 3´ーterminal region of the hygromycin B resistance gene is important for its activity in Escherichia coli Nicotiana tabacum." Gene. 100. 247-250 (1991)
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[Publications] T.Izawa: "Introduction and transposition of the maize transposable element Ac in rice(Oryza sativa L.)." Mol.Gen.Genet.227. 391-396 (1991)
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[Publications] H.Sandmeier: "Gene organization in the multiple DNA inversion region Min of plasmid p15B of E.coli 15T : assemblage of a variable gene." Nucleic Acids Res.19. 5831-5838 (1991)
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[Publications] 飯田 滋: "植物の転移因子とトランスポゾンタギング" 蛋白質 核酸 酵素. 37. 695-709 (1992)
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[Publications] S.Iida: "Expression of a downstream gene from a bicistronic transcription unit in transgenic tobacco plants." Gene.
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[Publications] H.Sandmeier: "DNA inversion regions Min of plasmid p15B and Cin of Bacteriophage P1 testify of the evolution of bacteriophage tail fiber genes." J.Bacteriol.
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[Publications] 飯田 滋(分担執筆): "現代化学増刊「植物バイオテクノロジ-」" 東京化学同人, 269 (1991)
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[Publications] 飯田 滋(分担執筆): "数理情報科学事典" 朝倉書店,