1992 Fiscal Year Annual Research Report
生鮮食品としてのマガキの鮮度判定基準に関する生理学的研究
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03808009
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Research Institution | Hiroshima Prefectural Women's University |
Principal Investigator |
増山 悦子 広島女子大学, 家政学部, 助手 (10084162)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅原 芳明 広島女子大学, 家政学部, 助教授
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Keywords | マガキ / 生鮮食品 / 鮮度 / 鰓繊毛運動 / メチレンブルー / 分光測定 / ビデオ顕微鏡 / 画像解析 |
Research Abstract |
本研究は養殖マガキの鮮度判定基準を確立し応用・実用化していくことを目的とする。マガキの鮮度の保持にはその代謝機能を維持し内部・外部環境の浄化(自浄作用)をすみやかに行うことが必須である。それらは繊毛運動の活動度に起因していることから、平成3年度は繊毛運動に着目し、その生理的特性を明かにしてきた。平成4年度は各流通段階で利用可能な簡便で汎用性の高いマガキの鮮度判定法を開発することができたので報告する。 最終的に確立した鮮度判定法は、マガキの鰓繊毛の運動能を分光学的に計測することからマガキの鮮度を定量化もしくは視覚化しようとするものである。まず、剥身にしたマガキの鰓から正確に5mm辺の小片を切り出し、これに0.00035%のメチレンブルー・人工海水(3ml)を含む分光光度計用のセル底部に入れ、直ちに流動パラフィンを重層し空気と遮断した後、鰓繊毛運動によるメチレンブルーの還元退色反応を観測した。このメカニズムは繊毛運動の活動度が高ければ高いほどATPの消費が大きく鰓組織片のミトコンドリアにおけるATP合成も高まってくる。その結果酸素消費量が増し、その酸素減少量が酸化型メチレンブルー(青色)から還元型ロイコメチレンブルー(無色)の変化量として分光学的に計測されるということである。本法がマガキの鮮度を鋭敏に反応するかどうかを検討するために、鰓繊毛運動能を直接的にビデオ顕微鏡による画像解析したところ、メチレンブルーの還元退色反応との間にきわめて相関の高い結果を得た。 さらに、流通段階・保存状態での鮮度を測定するために、簡易定量法も併せて検討している。
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