1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03808012
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
石田 讓 北海道教育大学, 教育学部・釧路分校, 助教授 (90113654)
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Keywords | スポーツ運動学 / 運動時間 / 運動空間 / 雄大性 |
Research Abstract |
1.我々の行うスポーツ運動を理解しようとする学問は、従来、自然科学系の学問を母体にして発展してきたが、人間の運動を理解するためには、物体を相手にする学問だけではなく、人間を相手にする諸科学との統合をはかりながら、複合現象としての人間の運動を総合的に理解する必要がある。本研究の「体験される空間」を理解するためには、まさしく統合理論としてのスポーツ運動学を下敷にすべきであると思われるが、スポーツ運動学自体まだ若い学問であるために、その科学論的裏付けが曖昧なままである。この科学論的位置づけについて、これ迄の研究から人間の運動、特に人間の意識世界への潜入について、科学論的に低次のレベルでの認識論、方法論をとるべきであろうという一応の結論を得たが、本年度は更に、認識論的には素材の段階であるところの運動の記述の問題が重要な鍵になるのではないかという所に焦点を当て考察してきたが、実際の記述にはかなり限界があることを認めざるを得ず、素材をどの様にどの程度明らかにすることが出来るのかを今後つめていく必要があると考える。 2.「体験される空間」といった、人間の運動世界の認知の構造を明らかにするため、指導者や学習者の意識世界に潜入するため、実際の運動現場を対象にして、指導者や学習者のやりとりを記録し、素材として洗い直す作業を行った。そこでは、対話や身振り、表に現れる学習者の反応と、それに対する指導者のすりあわせ等が記録され、人間の運動世界の意識世界への潜入を試みた。その結果は平成4年10月スポーツ運動学研究第5巻に「運動学習における感覚通信路の形成」と題して論文の形で発表した。
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