1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03808015
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
竹中 晃二 岡山大学, 教育学部, 助教授 (80103133)
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Keywords | 異文化受容ストレス / ストレス・マネジメント / 海外赴任者 / CMI / EPI / STAI |
Research Abstract |
国際化が進む今日、学生や研究者の海外留学、ならびに企業の国際進出に伴うビジネスマンの海外赴任が急増してきた。本研究の目的は、米国日系企業に出向する日本人赴任者およびその家族を対象に、異文化における日常生活および職場で感じるストレスを、面接法を用いて調べることであった。さらに、異文化受容ストレスによって起こるであろう身体および精神的自覚症状をCMI(Cornel Medical Index)健康調査を用いて調べること、またこれらの症状を予測するための介在変数を調べるため、性格テストとして、EPI(Eysenck Personality Inventory)を、不安テストとして、STAI(Spielberger Trait Anxiety Inventory)を用いて調査研究を行なった。調査対象は、米国における某日米合弁会社(電気製造メ-カ-M社)に出向中で年齢29ー49歳、平均37.32歳の日本人赴任者59名であった。調査した赴任者の企業内職種は、本社ニュ-ジャ-ジ-州スイコ-サスでは、主に事務系およびセ-ルス部門に属する者29名、さらにシカゴの工場に携わる者19名、米国サンディエゴに住み、メキシコ、テイフアナの工場に携わる者11名で、各地域内の調査対象者は無作為に抽出された。米国内赴任者の面接調査は、1990年10月初旬に行なわれた。これら面接調査に先立ち、各種調査を、さらに本研究で作成した異文化受容ストレス質問紙を郵送し、実施された。その結果、地域別、職種別に見ると、事務系の仕事に従事したりセ-ルス部門において米国人の上司、部下と共に働き、あるいは米国人と直接交渉を行なうことが頻繁なニュ-ジャ-ジ-州スイコ-サス本社で働く赴任者が、神経症的傾向が高く、易怒性など焦燥感を多く感じていることがわかった。これらは、CMI健康調査の下位項目で見られるように、心臓血管系や消化器系などの身体的自覚症状を訴える原因と考えられる。特に、心臓血管系および消化器系において訴え率が高く、異文化、特に商習慣の違いや米国人とのロジックの違いなどが工場よりも事務、セ-ルス部時で感じることが多いことが伺えた。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Takenaka,K.& Zaichkowsky,L.D.: "Factors limiting EMG biofeedback application to motor control" Kwansei Gakuin University Annual Studies. 111. 99-105 (1991)
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[Publications] 竹中 晃二,L.D.Zaichkowsky,山田 冨美雄: "異文化受容ストレスに関する研究ー日本人留学生のストレス反応ー" 体力研究. 5. 13-22 (1991)
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[Publications] Takenaka,K.: "Effects of EMG biofeedback to motor control" 兵庫体育・スポ-ツ学家体育・スポ-ツ研究. 6. 1-9 (1991)
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[Publications] 竹中 晃二,野老 稔,児玉 昌久,山中 寛: "ストレス・マネジメントー多元的アプロ-チとその評価ー" スポ-ツ心理学研究. 18. 122-125 (1991)
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[Publications] Takenaka,K.& Makoro,S.: "Physiological reactivity to stress in acculturation:Comparison between Japanese and American" 教育医学. 37. 1-6 (1991)
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[Publications] 竹中 晃二: "運動を用いたストレス・マネジメントーストレス反応から見た効果ー" 体育の科学. 41. 618-623 (1991)
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[Publications] R.Singer,M.Murphy & L.Taunaw(Eds.)Zaichkowsky,L.D.& Takenaka,K.: "Handbook on research in sport psychology.Optimizing arousal level," Mac Milan:New York, (1992)
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[Publications] J.H.Humphrey(Ed.)Takenaka,K.& Zaichkowsky,L.D.: "Human stress:Current selected research.Effects of aerobic exercise on Physiological reactivity to stress" AMS Press:New York, (1992)