1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03808033
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田口 隆久 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (10197246)
|
Keywords | チャンネル / 生体膜 / イオン輸送 |
Research Abstract |
細胞膜を介した情報変換機構の解析は、生命の基本型である細胞の生存様式を解明する上で重要である。多くの機構が存在し、それぞれにいろいろな分子が関与しているが、イオンチャンネル分子は、主要な構成要素の1つである。最近の研究の進展により、カチオンチャンネル分子についてはいくつかの点が明らかになってきたが、アニオンチャンネルについてはまだ知見が不足している。我々は、早くからアニオンチャンネル分子について注目し、シビレエイ(Narke japonica)の電気器官の中に存在する分子量180Kの蛋白をアニオンチャンネルと特異的阻害剤を用いて固定した。本研究においては、さらにこのチャンネル分子の構造機能 連関を解析する目的で、まず、この分子の一次構造を明らかにすることにした。分子生物学的手法により解析するためのプロ-ブとして、この分子に特異的に結合するポリクロ-ナル抗体を作成した。この抗体が特異的認識を示すことは、ウエスタンブロットによリ確認した。さらに、この抗体が、アニオンチャンネル分子の活性を阻害することを、人工平面膜法により確認した。より細かな解析を将来可能にする目的で、このチャンネルに対するモノクロ-ナル抗体の作製も試み、8種類のモノクロ-ナル抗体が得られた。以上のことから、この抗体がプロ-ブとして十分使用に耐えることが分かったので、この抗体を用いて、このチャンネル蛋白質をコ-ドするcDNAのスクリ-ニングを開始した。現在、これは進行中であるが、概にいくつかのクロ-ンが得られている。
|