1992 Fiscal Year Annual Research Report
交流分析によるマン・マシン・コミュニケーションの研究
Project/Area Number |
03808040
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Research Institution | School of Human Sciences, Waseda University |
Principal Investigator |
野呂 影勇 早稲田大学, 人間科学部, 教授 (70122851)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
落合 勲 信州短期大学, 専任講師 (80194570)
井上 哲理 早稲田大学, 人間科学部, 助手 (30223259)
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Keywords | マン・マシン・インターフェース / 交流分析 / 深層面接 / 交流パターン / 対人認知 / OA機器 / 感性工学 / 操作性 |
Research Abstract |
本研究は、コンピュータを中心としたマシンへの人間の感情の働きかけ、マシンからのメッセージに対する人間の受けとめ方に関する研究であり、その調査では対人行動の分析、特に交流分析を援用して深層面接を行った。今年度は、昨年度実施したOA機器経験者への面接結果をもとにコンピュータ操作場面の分析を行った。 1.コンピュータに対するさまざまな態度 基本的には大人(A)と大人(A)の理性的な交流、自分をコンピュータに順応させていく(AC)ような交流をとっている。しかし、エラーや不測の事態が起こった場面では攻撃的な傾向、動揺して萎縮する傾向(AC)、成果がでた時には自然な感情表現(FC)ややさしい言葉をかける(NP)などのさまざま態度をとっていることがわかった。 2.交差交流(くいちがい)が起こっている 順応したこども(AC)からコンピュータを罵倒するなどの態度をとる、あるいは養育の親(NP)から「がんばって」といった働きかけをするなどの働きかけを行っても、コンピュータからのメッセージが理性的な大人(A)の立場から発せられてるため交流にくいちがいがおこっていた。 3.熟練者のマシンとのやりとりの特徴 コンピュータの熟練者達は、マシンとの表面のメッセージ上の理性的な大人(A)と大人(A)のやりとりのみならず、子供(C)や親(P)の状態にメッセージを自分なりに置き換えて使用していることが分かった。 これらの結果から、操作者の情緒や感性を誘発し、創造的な作業を可能にするためには、人間の自由な子供(FC)を引き出す養育の親(NP)や自由な子供(FC)部分をコンピュータにもたせることが必要であると思われる。
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