1991 Fiscal Year Annual Research Report
ニュ-ラルネットワ-クモデルを用いた知的概念形成に関する研究
Project/Area Number |
03831011
|
Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
岸 浩一郎 自治医科大学, 医学部, 講師 (50161435)
|
Keywords | ニュ-ラルネット / 概念形成 / 並列分散処理 / 分散出力表現 / 学習 / 脳モデル / ニュ-ロエミュレ-タ- / バックプロパゲ-ション |
Research Abstract |
高速のニュ-ロエミュレ-タ-であるNEUROー07システムを用いて、バックプロパゲ-ション(誤差逆伝播)学習則を適用した階層型ニュ-ラルネットワ-クモデル上で、一般的なパタ-ン情報からの概念形成のシミュレ-ションを行うソフトウエアを開発した。入力はイメ-ジスキャナ-からの画像取り込みにより能率よく行うようにした。手書きの三角形などのパタ-ン情報と出力(概念)が1対1に対応している場合(単一出力表現)と,1つのパタ-ン情報に対して複数の出力(概念)が重複して対応している場合(分散出力表現)について、それぞれの情報処理における特徴抽出やシステムの頑健さの違いを調べた。その結果、分散出力表現は、実際学習が可能であり、また単一出力表現に比べて、より頑健でありかつ未知の入力に対する認識において汎化能力が高いことが示唆された。このことは、分散出力表現が人間の脳での概念の表現により近いことと関係しているものと考えられた。 今回用いたニュ-ロエミュレ-タ-やバックプロパゲ-ション学習則は期待どおりの働きを示し、ニュ-ラルネットワ-クモデル上で分散出力表現型の概念形成のシミュレ-ションが可能であることを、初めて示すことができた。人間の脳では神経細胞群における情報の並列分散処理が行われており、知的然膜形成も同様の原理のもとで説明されねばならない。したがって、ニュ-ラルネットワ-クモデルを用いて分散出力表現型の概念形成のシミュレ-ションを実現できた意義は大きいものと考えられる。今後は、バックプロパゲ-ション学習において特徴抽出や情報圧縮を行っていると考えられている中間層の働きに注目して研究を行う。
|
-
[Publications] 岸 浩一郎: "開発進む人間の脳により近いニュ-ロコンピュ-タ." 高圧ガス. 28. 305-307 (1991)
-
[Publications] 岸 浩一郎: "AI,ファジ-,ニュ-ロ最前線ーコンピュ-タは人間にどれだけ近づけるかー." 高圧ガス. 28. 429-447 (1991)
-
[Publications] 岸 浩一郎: "双極子追跡法による健常人における文字認識経路の解析" 生物物理. 31. S231-S231 (1991)
-
[Publications] Yamanouchi,T.: "A neural network model with distributed representation in the output layer." Jpn.J.Physiol.41. S230-S230 (1991)
-
[Publications] Takeda,T.: "Generalization in recognition of figures obtained with incorporation of distributed representation in a neural network model," Medical & Biological Engineering & Computing. 29. 815-815 (1991)
-
[Publications] Takeda,T.: "Construction of an expert systerm for diagnosis of skin disease with a neural network model." Medical & Biological Engineering & Computing. 29. 1026-1026 (1991)