1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03831016
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
田口 友康 甲南大学, 理学部, 教授 (30140388)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 雅久 甲南大学, 理学部, 教授 (30068134)
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Keywords | 演奏分析 / 演奏情報 / 拍子リズム / 演奏評価 / 計算演奏 / SD法 |
Research Abstract |
1.演奏情報の抽出モデル。速度変動を3成分にわけるTRI分解(T=トレンド、R=リズム、I=雑音)の数学モデルを構築した。このモデルの記述力を検証するために、8人の演奏家(アラウ、アシュケナ-ジ、ハラシェビッチ、フランソワ、ブ-ニン、スメンジアンカ、リパッティ、中村)による同一のピアノ曲(ショパン ワルツ第10番)の演奏における速度変動のプロフィ-ルをCD等の音源から採取してTRI分解にかけた。その結果、演奏家ごとに特徴ある3拍子の緩急リズムとフレ-ジングアゴ-ギグが同定された。今のところこの一曲のみの分析だけであるが、このTRI分解モデルの有効性は充分あると考えられる。 2.計算演奏の生成と聴取実験。ショパンのピアノ曲(夜想曲第1番)を音素材に選び、設定した6通りの表現意図(静かな、感傷的な、情熱的な、幼さの残る、あっさりした、重厚な)を演奏モデルにもとづいて計算機支援により生成した。これを音楽大学生49名にSD法を用いて印象評価してもらい、多次元尺度法等のデ-タ解析手法により6演奏の心理空間への布置とその空間の意味付けを行った。演奏の制作者(我々実験者)の持つ表現意図と聴取者の印象評価との差異、ならびに音楽経験の種類の違いによる聴取者の判断の差異等の興味深い結果が得られた。 以上のうち、1.は現在論文に取りまとめ中であり、2.は第2回音楽知覚認知国際会議(1992年2月、米国ロスアンゼルス)にて発表した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] T.TAGUTI: "Decay of short-term autocorrelation functions of piano music signals under different styles of interpretation" Proc,14th International Corgress on Acoustics. (1992)
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[Publications] T.TAGUTI: "Computational rendition of piano music and its subjective evaluation:A performance-model approach" Proc.International Symposium on Music Acoustics 1992. (1992)