1991 Fiscal Year Annual Research Report
意思決定システムを要素とする自律分散型ネットワ-クの耐故障性
| Project/Area Number |
03832003
|
|---|
| Research Institution | Ibaraki University |
|---|
Principal Investigator |
田中 健次 茨城大学, 工学部・情報工学科, 助手 (60197415)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮村 鐵夫 茨城大学, 工学部・情報工学科, 助教授 (20106892)
|
|---|
| Keywords | 自律分散システム / 意思決定 / 耐故障性 / 保全 / 失敗 / 免疫ネットワ-ク / 遺伝アルゴリズム / 進化 |
|---|
| Research Abstract |
研究初年度である3年度は,階層組織とネットワ-クの2つの側面で独立した課題を設けて研究を進めた。
(1)多階層意思決定組織内の動的機能の明確化:メタ階層レベルの意思決定機構を集合論によってモデル化し,その動的メカニズムを解析した。その結果,システム内部に存在する2重評価構造の整合性を獲得するための,内部モデルの自己改善活動が,意思決定システムの自律性,適応性の核となることが明らかになった。特にこのモデルを保全システムに適用した場合,メタ階層レベルの機能である「適応保全」が,適応的な自律システムを実現させ得る活動であることも明らかにした。これらの途中経過はすでに学会などで発表している。現在は,さらに確率過程論によってその改善メカニズムの表現方法を試行錯誤中である。
(2)免疫ネットワ-クによる自律分散性の特性抽出:すでに他の研究によって提案されているいくつかの免疫ネットワ-クモデルのシミュレ-ション実験をすすめると同時に,免疫ネットワ-クの自律性,自己認識/学習機構に着目しその情報特性を抽出している。同時に,生物系を模倣した確率的最適化手法である遺伝アルゴリズムに着目し,近傍分散系の有効性を検討,評価した結果,対象を巡回セ-ルスマン問題に限定した考察ではあるが,ある種の近傍分散系が効果的であることを確認し,研究部会で報告した。現在,遺伝アルゴリズムと免疫システムとの類似性に着目して,さらに検討を進めている。
東京工大でのSOS研究会が休会したため,重点領域研究「自律分散システム」の公開研究集会など多くの研究会に参加,活発な意見交換により自己組織化や免疫系に関するホットな話題を得ている。メタ階層機能と免疫ネットワ-クのモデルをさらに数理的に厳密化することにより,それらの融合化が可能になるであろう。
|
-
[Publications] 田中 健次: "自律分散型の保全システムを目指してー適応保全と自律化ー" 日本品質管理学会第21回年次大会予稿集. 135-138 (1991)
-
[Publications] 田中 健次: "保全管理を保全する適応保全の進化的メカニズムー自律分散型の保全システムを目指してー" 日本設備管理学会秋季研究発表大会論文集. 60-65 (1991)
-
[Publications] 田中 健次: "大域的失敗に対する内部モデルの自律的自己改善過程" 計測自動制御学会第3回自律分散システムシンポジウム資料. 231-234 (1992)
-
[Publications] 添田 正彦: "近傍系を取り入れたGenetic Algorithmの並列処理に関する考察" 計測自動制御学会第10回システム工学部会研究会資料. 73-80 (1992)
-
[Publications] Miyamura T.: "Reliability and Performance Evaluation of Iーout ofー M:G Systems with Maiutenance Processors" Reports of Statiscical Application Research JUSE. 38. 19-31 (1991)
-
[Publications] 宮村 鐵夫: "I out of M;Gシステムの信頼性デ-タ解析" 日本品質管理学会第39回研究発表会研究発表要旨集. 59-62 (1991)
