1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03832004
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
梅田 富雄 筑波大学, 社会工学系, 教授 (00213489)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河合 忠彦 筑波大学, 社会工学系, 教授 (60080363)
寺本 義也 筑波大学, 社会工学系, 教授 (30062178)
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Keywords | 自律分散 / 経営組織 / 変換方法 / 重みつき情報処理 / 顧客滿足化 |
Research Abstract |
本研究の目的は経営システムにおける自律分散機構を明らかにすることである。経営組織の構成メンバーである「個」が目的実現のために、何らかの判断に従って自律的に行動する機能を持って、空間的に分散している状況下で、他の「個」との間の協調を実現していることが特徴となる。 「個」の自律的な行動を決定するものは「個」が共有しているシステムの目的及び他の「個」の行動観察の結果としての入力情報及びこれらに基づく行動規定である。「個」と「個」との関係は組織構造に基づいて規定されるが、実際には相互に言動の形で情報を受発信し、「個」の評価によって次の行動が規定されるメカニズムの解明が重要である。行動原理の明示や経営資源の最適配分及び緩やかな管理が求められることから、自律分散メカニズムの解明に役立つモデル化を行うことが必要がある。 現在構築途上にある数学モデルでは、「個」を複数の他の「個」から情報を受け取り、それらに重み付けした結果を出力としての行動に結び付ける変換方法を記述し、特定の「個」の組織上での重要性と対応させるべく、重みの付け方によってシステムの目的達成上の管理、統制の方法を変えることにし、重み付け入力情報の変換法も「個」の特性の表現に対応づけて変更可能にしている。変換方法は「個」が示す行動規範を表すものであり、他の「個」の行動を観察し、学習効果が働くことを想定し、変換方法を変化させた場合にシステム全体の行動にどのように影響を与えるかについても研究中である。単純な具体例として、TQMに代表されるように「個」の組織内外の顧客に対する満足化(CS)を行動規範とする自律的行動が容易に表現される。自律分散の特徴は外部環境の変化に対して構造をどのように変化させられるかにあると考えられるので、モデル上では重みの自動的な変更のメカニズムを、「場」の情報を生かして行える方法によって探究しようと考えている。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Hisako Matsumoto,Tomio Umeda: "A New Organizational Communication with Electronic Media for Information Sharing and Creation" Proc.Intarnational Conference on Economics,Management and Informatin Technology. 177-180 (1992)
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[Publications] Takahiko Kawai: "Generating Innovation Throrgh Strategic Action Programmes" Long Range Planning. 25. 36-42 (1992)
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[Publications] 河合 忠彦: "組織活性化の展望" 組織科学. 26(3). 2-6 (1992)
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[Publications] 河合 忠彦: "戦略的組織活性化" 組織科学. 26(3). 7-20 (1992)
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[Publications] 寺本 義也 他: "学習する組織" 同文館, 289 (1993)