1992 Fiscal Year Annual Research Report
あいまいな環境・社会情報の活用手法について--廃棄物処分に伴う地下水汚染を例にして--
Project/Area Number |
03832024
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
井上 頼輝 京都大学, 工学部, 教授 (90025891)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米田 稔 京都大学, 工学部, 助手 (40182852)
堀内 将人 京都大学, 工学部, 助手 (00157059)
森澤 眞輔 京都大学, 工学部, 助教授 (50026340)
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Keywords | 廃棄物埋立 / 地下水汚染 / 数値シミュレーション / 移流分散モデル / 廃棄物処分場 / 発生源濃度 / ファジィシステム / ファジィ情報 |
Research Abstract |
本研究では、ファジィ理論を援用して、環境・社会の両システムにおける有害物質の運命解析・リスク解析を可能にする手法(フレームワーク)を開発することを目指している。廃棄物処分に伴う地下水汚染問題を例にして、廃棄物埋立処分場における廃棄物埋立方法だけでなく、廃棄物の分別収集、区分埋立やリサイクル等の廃棄物政策が地下水汚染に及ぼす影響をシミュレーションによって把握し、これらの結果から、社会システム側の諸条件も考慮した地下水汚染管理の方法を発見することを目的にしている。 本年度は研究の最終年度でもあるため、地下水汚染解析の精度を事実上支配する、社会システムと技術システムとの接点でもある、有害物質の漏出濃度をファジィ情報および確率情報を用いて推定する方法について検討した。また、廃棄物埋立処分場周辺での地下水汚染の将来を予測するための数学モデルに含まれる環境パラメータについて吟味し、それらの変動特性(確定、確率、ファジィ変動)について検討した。特に、廃棄物埋立処分場周辺に配備すべき環境モニタリングシステムの役割と機能(井上)、ファジィ理論を環境中での物質移動現象の解析に応用する手順(森澤)等について整理すると共に、漏出濃度がファジィ期待値で与えられる場合の地下水汚染数値シミュレーション(米田)、モニタリングシステムの機能向上に果たす追加情報やモニタリングシステム設計に伴う制約条件の効果(堀内)について検討した。 2年度にわたる研究の成果を最終報告書として取りまとめるための研究打ち合わせの機会を随時もった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 森澤 眞輔・井上 頼輝: "環境リスク研究におけるモデルの役割と評価" 日本リスク研究学会論文集. 第5巻. 53-58 (1992)
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[Publications] 森澤 眞輔・井上 頼輝: "地下水汚染解析における先行指標物質の役割について" 地下水汚染とその防止対策に関する研究集会講演集. 第2巻. 216-223 (1992)
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[Publications] 米田 稔・井上 頼輝 他: "ある盆地における広域地下水質悪化状況の調査例" 地下水汚染とその防止対策に関する研究集会講演集. 第2巻. 150-167 (1992)