待行列網モデルにより大規模生産システムの解析法の研究

1991 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 03832038
• Research Institution: Aoyama Gakuin University
• Principal Investigator: 黒田 充 青山学院大学, 理工学部, 教授 (80082791)
• Keywords: 待行列網モデル / 逆問題 / シミュレ-テッド・アニ-リング / 多目的計画問題 / 生産システムの解析 / スル-プット / 仕掛量 / 仕掛期間

Research Abstract

現実の半導体製造工程の規模を縮小した仮想生産システムを対象として,待行列網モデルを用いた解析法について研究し,つぎの知見を得た。
1.生産システム内のジョブ数を一定数に制限するクロ-ズド・モデルに関して、要求されたスル-プット(χ_1,ーーー,χ_m)を実現するジョブの仕掛量(n_1,ーーー,n_m)を求める逆問題の解析は,シミュレ-テッド・アニ-リング法を用いて実現できることを数値実験を通じて確認した。ただし,mは品種数。
2.(χ_1,ーーー,χ_m)に対する(n_1,ーーー,n_m)は唯一存在する訳でないので,シミュレ-テッド・アニ-リング法によって確率的最適化を実行する際に,仕掛期間を第2の目的関数として設けてそれを同時に最小化する(近似的に)方法,つまり要求されたスル-プットの実現と仕掛期間の最小化という2つの目的関数を有する多目的計画問題のための確率的最適化の方法を提案し,その有効性を確認した。
現在,上記の方法によって求めた最適条件のもとでシミュレ-ションを長時間実行し,シミュレ-ション結果と解析結果を比較し検討している。なお,本年11月境において開催が予定されている1992Pacific Conference on Manufacturingでこれまでに得た成果を発表するべく準備を進めている。