1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03833001
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
上野 直人 筑波大学, 応用生物化学系, 講師 (40221105)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西松 伸一郎 筑波大学, 応用生物化学系, 助手 (20222185)
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Keywords | アフリカツメガエル / 初期発生 / 胚誘導 / 細胞増殖因子 / アクティビン / TGFーβ / レセプタ- |
Research Abstract |
アクティビン遣伝子を含めて、アフリカツメガエル初期胚に存在する関連遣伝子である骨形成因子(BMP)2、4、7の3種の遣伝子をクロ-ン化した。それぞれの遣伝子産物の胚誘導における生理作用を検討するために各遣伝子を動物細胞に形質導入し、その培養上清をツメガエル胞胚の予定外胚葉(アニマルキァップ)に作用させ、組識の伸長などの形態変化や筋肉特異的アクチン遣伝子の活性化を指標として中胚葉誘導能の検定を行った。アクティビンには強力な中胚葉誘導能が認められたものの、COS細胞の培養上清を用いた場合、BMPー2および7には全く誘導活性が見られなかった。BMPー4にはアクティビンに比べ、非常に弱い(アクチンの 活性化でアクティビンに比べ5%以下)活性が検出されたが、CHO細胞の培養上清では同様の活性が確認できなかったことから、アニマルキャップを用いた検定法ではBMPは中胚葉誘導能をもたないと結論した。現在BMPの腹側中胚葉誘導活性について検討中である。アクティビンによる誘導に伴う、他の遣伝子の活性化について時間軸を追って調べたところ、軸形成に関わるホメオボックス遣伝子、グ-スコイド、そしてMyoDの活性化を経てアクチンの順に活性化されることが明らかになった。一方、遣伝子レベルに加えタンパク質レベルでの研究も行っている。特に骨形成因子ファミリ-についてはBMPー2のカルボキシル末端側21アミノ酸の合成ペプチド、および大腸菌lacZタンパク質とBMPー4の触合タンパク質に対する特異抗体を作製した。ツメガエルの各発生ステ-ジの初期胚から得られた抽出液をSDSポリアクリルアミドで電気泳動後、上記抗体を用いたウエスタンブロット解析を行い、BMPー2、4ともに末受精卵から尾芽胚にかけて存在することを明らかにした。しかしポリペプチドの多くは単量体であることから、単量体から二量体になるメカニズムについて検討中である。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Asashima,M.: "The presence of activin(erythroid differentiation factor)in unfertilized eggs and blastulae of xenopus laevis." Proceedings of National Academy of Sciences U.S.A. 88. 6511-6514 (1991)
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[Publications] Tanimoto,K.: "Structure and seguence analysis of the human activin βA subunit gene." DNA Seguence. 2. 103-110 (1991)
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[Publications] Hashimoto,M.: "Functional regulation of osteobladtic cells by the interaction of activinーA with follistatin" Journal of Biolgical Chemistry. 267. (1992)
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[Publications] Tanimoto,K.: "Regulation of activin βA mRNA level by cAMP" Biochemica Biophysica Research Communications. 182. 773-778 (1992)
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[Publications] 上野 直人: "アクチビンと形態形成" 生体の科学. 42. 227-233 (1991)
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[Publications] Ueno,N.: "Frontiers in muscle research" Elsevier Science Publishers B.V., 450 (1991)
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[Publications] 上野 直人,他: "タンパク質化学、第8巻「成長因子」" 廣川書店, (1992)