1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03833004
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田代 康介 東京大学, 理学部, 講師 (00192170)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩川 光一郎 東京大学, 理学部, 教授 (20037295)
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Keywords | 肝細胞増殖因子 / 遺伝子構造 / 発現誘導 |
Research Abstract |
1)HGF遺伝子の構造について ラットHGF遺伝子の全域の単離に成功し、プロモ-タ-領域、サらにエクソン領域の全塩基配列の決定をほぼ完了した。その結果、ラットHGFは約60kbpのDNA上にコ-ドされており18個のエクソンからなっていることが判明した。また、イントロンの挿入位置を他のクリングルを持つタンパク質(プラスミノ-ゲンなど)と比較した結果、HGFの成立過程について興味深い知見が得られた。セリンプロテア-ゼドメインについては、他のセリンプロテア-ゼとほぼ同一の位置にイントロンが存在することも明らかにとなった。 転写開始点については、Slーprotection,primer extensionを用いた解析により、複数個存在する可能性があることが判明した。現在傷害に伴うHGFの発現誘導時における転写開始点の差などを解析中である。 2)生体内でのHGF発現誘導について ラット各臓器内のHGFmRNAの発現量を検討したところ、肝臓以外の様々な臓器、特に肺や腎臓での発現が認められた。さらに、四塩化炭素投与による肝炎の誘発に応じて、肺、腎臓の発現量も急激に上昇することも明らかとなった。これらのことは、肝臓内αHGF発現誘導系が様々な臓器でも同様に働いていることを示しており、さらに本研究の最終目的である発現誘導因子が液性の因子であることを示唆している。 これらの結果を参考にして今後の研究を進めたいと考えている。
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