1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03833004
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田代 康介 東京大学, 理学部, 講師 (00192170)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩川 光一郎 東京大学, 理学部, 教授 (20037295)
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Keywords | 肝細胞増殖因子 / 遺伝子構造 / 発現誘導 |
Research Abstract |
1)HGF遺伝子の構造について 前年度までに得られたゲノムクローンの解析を進め、プロモーター領域については約2kbpの全塩基配列を、エキソン部分についてはイントロンとの境界部分についてすべての塩基配列決定を完了した。キキソンイントロンの関連については、前年度報告の通りである。プロモーター領域については、TATAボックスやGCボックスを持たないユニークなプロモーターであることが判明した。またIL-1などのサイトカインに反応するコンセンサス配列が、数個存在し、これらはサイトカインによるHGFの発現誘導機構の存在を示唆している。今後の発現誘導の解析には、サイトカインがひとつの候補として使用できる。 転写開始点については、S-protectionなどによって少なくとも4ヶ所存在することを明らかにした。また、四塩化炭素投与による肝傷害時においては、3'側から2番目の転写開始点からの転写量が増大することが判明した。この開始点からの転写制御機構が今後の課題である。 2)発現誘導のアッセイ系の開発 HGFの産生細胞である肝非実質細胞の初代培養系がアッセイ系として適しているとの考えに基づき、培養系の確立を行った。これまでに、分離法、培養法は確立された。一方、1個体から得られる細胞数が、多数のアッセイには向かないこと、また、DNA解析のための効率よいDNAトランスフェクション法が確立されていないことが問題点として残っている。今後、これらを確立すると同時に、HGF発現誘導を引き起こす条件の検討が急務である。
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